Amazon(アマゾン)のDay 1 Editionプログラムは、同社がハードウェアを開発するプロセスを隠しているカーテンをほんの少しだけ開けた。プログラムの第1弾はスマートメガネのEcho Framesとスマート指輪のEcho Loopだった。初期ユーザーのフィードバックにより、Amazonはスマートメガネの製造を継続することを決めた。
このプログラムのアイデアは、さらに進化している。今回のプログラムは社内クラウドファンディングの予約注文のようなものだ。Amazonはコンセプトをいくつか提示し、購入したい顧客は予約注文のかたちで投票する。目標を達成すればその製品が販売される。達成しなければボツになる。日本のSony(ソニー)が5年ほど前に開始した「First Flight」プログラムに似ていないこともない。
製品の発売にあたってAmazonがリソースを求めているのではないことは明らかだ。このようなプログラムは必須ではないが、ハードウェアチームがちょっと変わったものを開発する助けとなることは理解できる。数年前にAmazonが出したビッグマウスビリーバス(ブラックバス型のAlexa対応デバイス)のようなわずかな例外はあるにしても、大企業は一般に奇妙なハードウェアのコンセプトは製品化しない。
今回はまず3つの製品が公開され、わかりやすいものもあれば変わったものもある。共通しているのは、少なくとも今回に関してはすべてAlexa対応ということだ。今後もAlexa対応の製品が出てくると予測されるが、Amazonはどこまで手の内を見せるかを明確に決めているようだ。
今回の製品の中でわかりやすいのはSmart Stick Note Printer(スマート付箋紙プリンタ)だ。Alexa(Echo)に何か話しかけると感熱式で付箋紙にプリントされる。感熱式なのでインクの交換が不要だ。つまり買い物リストやイベントのリマインダーを声でプリントできる。予約注文価格は90ドル(約9500円)となっている(KickstarterやIndiegogoと同様に、一般に市販されることになったらこれより高価になるだろう)。
35ドル(約3700円)のSmart Scale(スマートはかり)はEcho Showと組み合わせて使う。「Alexa、このブルーベリーに含まれる糖分の量をSmart Scaleで調べて」「Alexa、Smart Scaleで200kcal分のブルーベリーを測って」のように話しかけると、測った分量に対する栄養成分の情報がEcho Showの画面に表示される。
3つの中で最も奇妙で楽しい製品はSmart Cuckoo Clock(スマート鳩時計)だ。平凡なEcho Wall Clockの流れをくみ、鳩時計のメカニズムが組み込まれている。ふりこは取り外し可能で、時計を壁にかけることも棚に置くこともできる。予約注文価格は80ドル(約8500円)だ。
Amazonは具体的な目標を記載していないが、プロジェクトごとに目標達成率が示されている(実数は示されていない)。目標を達成しなければ予約注文には課金せず、別のプロジェクトを開始する予定だ。
カテゴリー:ハードウェア
タグ:Amazon、Amazon Alexa
画像クレジット:Amazon
[原文へ]
(文:Brian Heater、翻訳:Kaori Koyama)