誰かの本気度を測るのは難しいが、おそらくこの場でSpaceXが本物のHyperloopのデザインと製造に興味を持っているわけではないだろう。とはいえ同社が、この興味深いエンジニアリングの課題に対して腕試しをしたい、若くて勇敢なエンジニアたちを応援することに意欲的であることには間違いない。この週末(米国時間29日)に、Hyperloop Podコンペティションのメインイベントが開催され、世界中から30チームが参加する。カリフォルニアに敷設された1マイルの試験軌道上で、実物大のモデルを用いてテストが行われる。
コンペは2015年に始まり、当初1200チームが参加した。デザインを評価することで、2016年の早い時期にそれらは120に絞り込まれ、この週末の軌道試験のために、さらに30チームへと選抜された。
トップ30の1つは、ワシントン大学の学生運営チームだ。先週彼らは、シアトルのイベントで4分の1スケールのポッドを披露した。エンジニアたちとデザイナーたちが次々に、ポッドの様々な機能を実現するために行ったプロセスを、興奮気味に説明してくれた。
大きな予算には欠け、企業からの指導や資金提供も望んでいないため、このチームは弱小と呼んでも良いだろう。現在のプロトタイプのコストは2万7000ドル以下で、多くの競争相手よりも遥かに安い、しかしともあれ何よりも割安だ。慎重に形成されたカーボン複合材がシャーシの大部分を覆い、これによってコンパクトな永久磁石浮上と、加速、減速、そして安全対策が実現されている。筆者は、すべてを軌道上に保っておくための、巧妙な受動機構に特に感銘を受けた。
とはいえ30のチームはそれぞれ、多種多様のアプローチをとっている。あるものは車輪を使い、あるものは磁気を使い、あるものは大きく、または小さく、筒状のものもあれば、車のような形状のものもある。Business Insiderが、それら全てを1つのページに掲載しているので、もし興味があればそちらを見ると良いだろう。
コンペでは、各ポッドはアルミ製のI型の梁に沿って、SpaceXのブースト車によって加速が行われ、リリース後は自力での走行が継続される。うまくいけば、加速または速度維持が行われて、最後は正しい制御の下に停止される筈だ。決して本物と同じではないが、速度は時速100マイルを超え、ポッドの重量は数100ポンドに及ぶ。これは冗談レベルの話ではないのだ。
私が話したワシントン大学チームのメンバーは、トップ30に選ばれたことをとても喜んでいて、真のエンジニアの姿勢を見せていた。どのような状況においても全てがデザインしたように動作するようにと気を配っていたのだ。彼らはタフな競争相手になる可能性のある者として、ウィスコンシン大学マディソン校のチームや、この種のエンジニアリングでヘビー級のオランダのデルフト工科大学の名前を挙げた。
このコンペティションで、どんな面白いものが見られるかに目を光らせておくとしよう。しかも、この週末でお楽しみはお終いというわけではない。この夏にはまた別のコンペが控えていて、そちらでは単純に最高速度が競われるのだ。それが見学に値するものになることは請け合いだ。
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(翻訳:Sako)