Alibaba(アリババ)にはいつものことだが、この中国のeコマース大手は過去3年で最も低い成長率と精彩を欠いた第3四半期から復活してきた。第4四半期(1〜3月)の決算は、売上高が前年比51%増の935億元(139億ドル)だった。
Baronsによると、この数字はアナリストの予測915億元を上回った。そして純利益は233億8000万元(34億8000万ドル)だった。
Alibabaは自社を中国消費者のゲートウェーと位置付け、成長を続けている。買い物客数を測るメトリックであるモバイルでの月間ユーザー数は3月に7億2100万人に達し、3カ月間で2200万人増え、過去1年で1億400万人増えた。年間アクティブユーザー数は18%増の6億5400万人で、2018年の流通総額は対前年比で19%アップした。
続いている米中貿易戦争にもかかわらず、Alibabaは中国の輸出頼りの経済から国内消費への移行に理想的な額の資金を注入してきた、と経営執行役会長のJoe Tsai氏はアナリストとの電話会見の中で主張した。
「中国は中国消費者の需要に応えるべく、これまで以上に外国企業マーケットを開放している。中国消費者へのスケール展開とアクセスにおいて我々は無敵の存在だ」と彼は語った。
決算発表に伴う会見で、CEOのDaniel Zhang氏は今回の好決算はコンバージョンレートの改善のため、と説明した。よりたくさんのレコメンデーションやビデオコンテンツを盛り込んだ新しいアプリインターフェースのおかげで小売商品の投入やユーザー(買い物客)数が増えた。
成長の大きな要因は、農村部の消費者だ。実に、年間アクティブ消費者数の増加の70%超が大都市以外のところに住む人たちだとTsai氏は述べた。そして第3、第4、第5の都市における消費額は来年、これまでの3倍の7兆ドルになると予測されている。農村部の消費者にフォーカスしているPinduoduoを含むライバルがいるにもかかわらず、Alibabaはこうした消費の大部分を取り込むことができると考えている。
ユーザーの増加には、Alibabaが事業を幅広く展開し、そうした事業間でトラフィックを起こす能力を備えていることも貢献している。例えば、TencentがサポートしているMeituan Dianpingとし烈な競争を展開しているフードデリバリーサービスのEle.meの全注文の30%は、AlibabaのオンラインコマースアプリTaobaoとeウォレットAlipayを経由している。
中国外に目を向けると、東南アジア専門のLazadaと国際注文専門のAliexpressで昨年、累計1億2000万人の買い物客数を記録した。しかしAlibabaはこれらのサービスについて詳細は明らかにしていない。
Alibabaにとってクラウドは成長の大きな柱だ。しかしビジネスが大きくなるにつれ、成長は先細りとなりつつある。
IDCによると、マーケットシェア42.9%と中国のクラウドサービスのトップのAlibaba Cloudは76%増収となり、売上高は77億3000万元(11億5000万ドル)に達した。Alibabaは中国のトップ企業の半分超にクラウドサービスを提供しているとしている。
主事業のオンライン小売以外では、Alibabaは実在店舗販売にも投資を続けている。所有するスーパーマーケットチェーンのFreshhippo(前Hema)の店舗数は135店に達し、一方ライバルのJD.comが展開する7Freshは15カ所以下での運営だ。デジタルエンターテイメントもAlibabaにとっては投資が先行している事業だ。ただ、ここでもやはりAlibabaは、かつて業界のパイオニアだったビデオストリーミングサービスYoukuのユーザー数は明らかにしていない。
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(翻訳:Mizoguchi)