今日(米国時間9/29)イギリス政府は、この国を“共有経済の全世界的なセンター”に育ててシリコンバレーに対抗していくために、AirbnbやZipcarなどが具現しているいわゆる共有経済を今後強力に支援育成していく、と発表した。そのためにまず、共有経済がイギリスでその持てる力を十分に発揮できる風土を作り出すために必要な、政策や規則等に関する、業界からも政府からも“独立の”調査研究事業を立ち上げる。
しかしおもしろいことに、この調査研究事業を率いるのは、なんと、Love Home SwapのCEO Debbie Wosskowだ。同社は休日に人びとがお互いに家を取り換える(スワップする)ためのスタートアップで、協力的消費(collaborative consumption)や共有経済(sharing economy)の分野で頑張っている代表格だ。だから、“独立の”調査事業にはふさわしくないのではないか、とも言える。とはいえ、この調査事業に関する政府からの発表声明自体がすでに、共有経済は“良い(善い)ものである”というトーンに傾いているので、誰が調査を仕切るかという問題は、それほど重要でないのかもしれない。
イギリス政府による今回の任命を擁護するなら、Wosskowは、共有経済のネットワークであり年四回のイベントを開催しているCollaborative Consumption Europe(ヨーロッパ協力的消費)の主宰者だ。この分野に関する彼女の知識経験の量は、単なる共有経済スタートアップのCEO域を超えた、大きくて深いものだろう。
しかも彼女はこの研究調査事業を無償で引き受けたそうだから、イギリスの納税者の負担は小さい。この種の事業は何らかのロビー集団によって行われることが通常は多いから、そうならないだけでも良いことだ。ロビーの作の典型が、最近ローンチしたUK startup manifestoだ。おっと、お話の脱線はやめよう。
調査研究の対象/内容としては、次のものが指示されている:
- 共有経済の課題と概念定義
- 共有経済がイギリスにもたらす利益と既成産業にもたらすリスク
- 共有経済を担う企業が直面する問題、たとえばAirbnbにおける保険の問題など
- 共有経済の企業に課せられるべき規制
- デジタル企業にとっての信用障壁
- イギリスにおいて共有経済が持つポテンシャルに到達する方法
しかしDavid MeyerがGigaOmで指摘しているように、労働者の権利のような難しい問題はなぜか含まれていない。でも、いずれにしても、このように政府が共有経済を肯定し支持するような動きは、今および今後の共有経済スタートアップにとって、明らかに朗報だ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))