犬は家族の一員だと思う愛犬家は多いだろう。犬の場合、毎日の散歩や運動は欠かせないが、犬が走るのに適した公園を見つけたり、近くのトリマーなどを簡単に検索したりできる実用的なツールはなかった。イスラエルに拠点を置くDOGIZは、愛犬家のファウンダーが立ち上げた愛犬家のためのソーシャルツールだ。DOGIZは、アクセラレータープログラムのThe Hiveが主催したStartUp Fusionのピッチコンテストで最優秀賞を獲得し、日本のサムライインキュベートから10万ドルのシード投資を受けた。
DOGIZのファウンダーでCEOを務めるAlon Zlatkinは、 The Hiveの半年間のアクセラレータープログラムに参加し、2015年1月にDOGIZのベータ版をローンチした。今年5月に開催されたStartup Fusionのピッチコンテストでの優勝が彼らの最初の資金調達へとつながった。Startup FusionはイスラエルのThe Hiveが中心となり、日本のサムライインキュベートとトルコのONEN CONSULTANCYが協力して開催した。各国の才能ある若い起業家を発掘すると共に国際的なシナジーを創り出すことを目標としている。DOGIZもイスラエルの次に日本への進出を計画しているスタートアップの内の一社だ。
現在、イスラエルで展開するDOGIZのベータ版には5000人ほどのユーザーがいる。DOGIZのモバイルアプリのプロフィールには愛犬の情報を登録し、アプリのソーシャル機能から近所の愛犬家の友人と連絡を取ったり、地図に彼らが公園にいるかなどを確認したりすることができる。各公園のゴミ箱やベンチの有無といった情報も確認することもでき、新しい散歩コースを見つけるのにも適したアプリだ。9月頃に予定しているアップデートでは、犬のためのサービス事業者、例えば、お散歩代行やペットシッター、トリマーを検索して、予約から決済まで行う機能を拡充する。DOGIZはSNSとしてだけでなく、愛犬家と犬向けのサービスを提供する事業者をつなぐマーケットプレイスになることを目指している。
TechCrunch JapanがDOGIZのCEOのZlatkinに、このようなソーシャルプラットフォームのアイディアを得たきっかけを聞いたところ、Zlatkin自身も愛犬家で、犬は散歩や運動を必要とするアクティブな良きパートナーだが、都市で働く人は忙しく、愛犬のためのオンデマンドのサービスへのニーズが高いからだと話した。イスラエルの街には50以上の公園があり、散歩代行やトレーナーなどのサービス事業者も充実している。また、飼い主が集まるイベントもFacebookのグループなどで多く開催されているが、これらの情報は分散していて、全部をまとめて利用できるツールはこれまでなかったと話した。
サムライインキュベートからの資金調達は、日本への進出を念頭に置いているためだと話した。日本でも犬を飼っている人は多いが、イスラエルの都市部の愛犬家のように日本の愛犬家の間にもオンデマンドのサービスへのニーズがあるとZlatkinは話す。また、日本のペット市場は大きいにも関わらず、欧米ほどペット向けのオンデマンドサービスの競争は激しくなく、進出するには良い機会だと考えている。もちろん、日本進出には言語の違いによるコミュニケーションの壁や文化の違いがあり、日本の愛犬家のコミュニティーにどのようにリーチするかは検討しなければならない部分だと言う。どのように進出するかについては、日本の投資家であるサムライインキュベートと協力することで見出したいとZlatkinは続けた。
現在AndroidとiOSのアプリが提供しているが、どちらも英語版である。市場調査を行い、アプリの日本語対応を進めた後、2016年1月を目処に日本での展開を目指す予定だ。