Aircamは、プロの写真家が結婚式やパーティー、その他イベントで撮った写真に誰でもその場でアクセスできるようになるサービスを提供する新しいスタートアップだ。
同社は、Evan Rifkin(エヴァン・リフキン)氏、Ryan Rifkin(ライアン・リフキン)氏の兄弟によって設立された。2人はこの前に、アプリテストのサービスを提供するTestFlightをプロデュースしたBurstlyを共同で創業している(BurstlyはAppleに買収された)。
11月7日に正式にAircamを立ち上げたのに加え、同社はシードラウンドで650万ドル(約7億円)を調達したことを発表した。ラウンドはUpfront Venturesがリードし、Comcast Venturesも参加した。
「素晴らしいフォトグラファーを見つけるプロセスはまだ大変だが、100億ドル(約1兆900億円)を超える規模の産業にありながらフォトグラファーの写真共有ツールは時代遅れだ」とUpfront VenturesのマネージングパートナーMark Suster(マーク・サスター)氏は発表文で述べている。「Aircamはリアルタイムに、そしてロケーションを特定しつつ、現代の消費者が予約時に期待するワンランク上の写真を提供する。予約もシンプルで、現在のマーケットに大きな変化をもたらす」。
リフキン兄弟はAircamを「プロ、そして一般消費者のためのリアルタイムの写真共有プラットフォーム」にしようとしている。同社の技術を試すために、私はAircamのウェブサイトに行き、「近くの写真」を見るボタンをクリックした。すると、リフキン兄弟がDSLRカメラで撮った写真がたちどころに表示された。私はこうした写真を彼らのオフィスのプリンターに送ったり、私の携帯に入っている写真を共有したりできる。
メーカーはすでに写真をワイヤレスでカメラからコンピューターに送信するソフトウェアを提供している。しかしAircamでは、イベントに参加しているすべての人が写真にアクセスできる。しかもフォトグラファー以外の人はアプリをインストールする必要はない。
ライアンは、写真をフォトグラファーのスマホのアプリに送信するのにカメラのWi-Fi接続を活用していると説明した(現在はキャノン、ニコン、ソニーのカメラに対応している)。アプリに送信された写真はクラウドへとアップロードされる。
彼はまた「チームが当初Aircamはイベント参加者が撮った写真の保管場所になるだろうと考えていた」と話した。しかし初期のテストでは「反対のことが起こった。人々は自分たちのスマホをしまいこんでいた」。
別の言葉で言うと、イベント出席者たちはプロ品質の写真にアクセスできると知ると、自分のスマホで写真を撮ろうとあまりしなくなった。そしてイベントそのものに専念した。
Aircamはフォトグラファーの仕事をやりやすくするものとなる。特に、Aircamには自動の写真編集がある。写真はフォトグラファーが何もしなくてもカラー修正される(歯を白くする、といったような素敵なタッチにする)。
「もしフォトグラファーに『撮影に関して好きでないところは?』と聞くと『1つには新しいビジネスを見つけること、2つ目には編集』と返ってくるだろう」とライアン氏は話した。一部のフォトグラファーは編集作業を理由に、引き受けるイベントの数を制限する。自動編集があれば、彼らは撮影するだけだ」。
新しいビジネス探しに関しては、エヴァン氏はフォトグラファーが彼らの顧客向けにAircamを追加オプションとして提供できるようにしてテストを行った(Aircamはフォトグラファーにイベント1つあたり50ドルを請求する)。
顧客はいったんAircamのサービスを体験すると再び利用したがった。というわけで、Aircamは自前のマーケットプレイスを立ち上げる(現在は南カリフォルニアにフォーカスしている)。マーケットプレイスでは、顧客はプロのフォトグラファーを1時間99ドルで予約できる。Aircamのサービスもパッケージに含まれる。
もし、フォトグラファーなしでこのアプリを試してみたいなら、無料でiPhoneから写真をアップロードできる。リフキン兄弟は、プライバシーやコンテンツモデレーションをめぐってこれまでのところ問題はない、と話した。しかし彼らはまた、そうした問題を懸念する顧客はゲストのアップロードを制限できる、とも指摘した。近くにいる人の目に触れることがないよう、イベントのカスタムURLをつくることもできる。
画像クレジット: Aircam
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(翻訳:Mizoguchi)