イングラントとウェールズで導入が遅れていた新型コロナ接触追跡アプリが9月24日にリリース

英国で長く導入が遅れていた新型コロナウイルス接触追跡アプリがついにリリースされる。英保健省(DHSC)は9月11日、イングランドとウェールズで9月24日にリリースされると発表した

英国内ではスコットランドと北アイルランドで既に独自の新型コロナ接触追跡アプリが導入されている。北アイルランドではこの夏にリリースされた。「Protect Scotland」(プロテクト・スコットランド)アプリは昨日(9月10日)リリースされ、数時間で60万件以上のダウンロードを記録した。

イングランドとウェールズでは当初予想よりはるかに長くアプリを待つことになった。政府大臣らが日次の新型コロナブリーフィングで5月、アプリがまもなくスタートすると示唆したが、実現しなかった。

結局立ち上げは遅れ、「NHS COVID-19」アプリの開発はNational Health Service(英国民保険サービス)のデジタル部門であるNHSXからDHSCに引き継がれた。NHSXは集中型アプリアーキテクチャーの選択に関連する問題に突き当たっていた。その問題がプライバシーに関する懸念を引き起こし、テストアプリはiPhoneデバイスの検出に関する技術的な問題に悩まされていることになった。

政府はアプリを分散型アーキテクチャーに転換した。つまり、公式の新型コロナ接触追跡アプリにAppleとGoogleが提供する公開通知APIを利用すれば、iOSのバックグラウンドでのBluetooth検出に関連する技術的な問題を回避できるということだ。

NHS COVID-19アプリに追加されたもう1つの要素は、スキャン可能なQRコードによるチェックイン機能だ。政府は、パブ、レストラン、美容院、図書館など、人が集まる可能性のある場所でQRコードを印刷して掲示し、アプリのユーザーがスキャンしてチェックインすることを推奨している。

チェックインデータはローカルデバイス上に保持される。デバイス同士が接近して一時的なIDが交換されるときに生成される接触データと同じプライバシー保護アプローチを採用する。

DHSCによるとチェックインデータは21日間デバイスに保持される。ある場所で発生が確認された場合、アプリを実行している全てのデバイスにその場所のIDが送信される。デバイス側では、最近のチェックイン情報との照合をデバイス上で行う。

DHSCは、照合の結果による「リスクのレベルに応じて」何をすべきか(たとえば隔離するか)についてアプリユーザーに対する警告と助言を生成するかもしれないと述べた。

政府によると、ワイト島で行われたNHSのボランティアおよび再構築されたアプリによるテストでは、従来の接触追跡と組み合わせて使用​​した場合に、新型コロナに対し陽性を示した人との接触を「非常に効果的」に特定できたという。

以前はAppleとGoogleのAPIの制約に関連する問題があり、接触通知を生成するために必要となるデバイス間の距離を効果的に推定することが困難であることが指摘されていた。

アプリが近く立ち上げられることに関して、Matt Hancock(マット・ハンコック)保険・社会福祉相は、スキャン可能な場所コードは「NHSの検査・追跡システムの根幹となる接触情報を収集するシンプルかつ容易な方法」だと述べた。ただしレストランなどでは、アプリを持たない常連客からデータを収集するシステムも必要となる。

「ウイルス蔓延を制御するために、最先端のテクノロジーを含めたあらゆるツールを使用する必要がある。今月後半のイングランドとウェールズでのアプリのリリースは非常に重要な瞬間であり、この重要な時期にウイルスを封じ込める能力を高めるのに役立つ」とハンコック氏は付け加えた。

英国のレストラン等は、gov.uk/create-coronavirus-qr-posterで自らの店舗等で掲示するQRコードをダウンロードするよう促される予定だ。

英国の全国紙が先月、アプリは自動の接触追跡を採用しないと報道した内容は見当違いだったようだ。

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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