インテルがいよいよVRに本格的に参入することになる。Intel Developers Forumにて、「マージドリアリティ」(Merged Reality)プラットフォームのアナウンスと同時に、オールインワンのVRヘッドセットを発表したのだ。発表は「一切の制限を排除して自由に動き回れるのなら、あなたはいったい何をしますか」というアナウンスで始まった。
VRヘッドセットの名前は「Project Alloy」という。Oculus RiftやHTC Viveのようなデバイスだが、完全にワイヤレスである点が新しい。さらに、このデバイスは完全にオールインワンのものであり、必要なカメラ、センサー、入力システムなどがすべて一体になっている。
インテルのCEOであるBrian KrzanichはVRを評して「私たちの仕事、エンターテインメント、コミュニケーションの一切を新しい次元に導くもの」としている。
新しい技術により、コントローラーなどを用いずに自分の動きと外界のオブジェクトをVR化でき、これもまた従来型ヘッドセットとは大きく異なる点だ。Krzanichによれば、このデバイスは6DoFなもので、すなわち仮想空間の中で何の制限もなく自由に動けるようになるものだとのことだ。
Project Alloyに搭載されたセンサーは、手の動きをリアルタイム仮想世界での入力デバイスとして認識できる。このヘッドセットの心臓部のひとつは、もちろんRealSenseカメラだ。1080p HDカメラ、赤外線カメラ、赤外線レーザープロジェクターが一体となったもので、これを使ってVR世界に入ってくるモノや人を認識するようになっている。
これまでの高性能VRヘッドセットは、主にパフォーマンスの側面からワイアレスにはできなかった。高いフレームレートと精細な解像度を実現するには、ヘッドセット単体では対処できず、外部の高性能PCなどと連結する必要があったのだ。このあたりにどのように対処しているのかについて、詳細な情報については触れられなかった。
なおKrzanichは、Windowsとの連携によりWindows HolographicプラットフォームをProject Alloyにも移植し、開発者が簡単にアプリケーションを作成できるようにするとも話している。Alloyについては2017年半ばにもオープンソース化する予定だそうで、Krzanichによれば「誰でもWindows HolographicプラットフォームとProject Alloyのハードウェアを融合して利用することができるようになります」とのことだ。
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(翻訳:Maeda, H)