Computexが正式に開催される前から、AMDとQualcomm(クアルコム)はIntel(インテル)に対して新型プロセッサと5G PCをぶつけてきた。そして米国時間5月28日、インテルは台北にて実施されたキーノートのプレゼンテーションにて、第10世代CoreプロセッサとなるIce Lakeに加え、新型プロセッサとラップトップを公開した。
現在OEMへと出荷されている10nmプロセスのプロセッサは、インテルによればAI(人工知能)処理のスピードとグラフィックスの速度を向上させ、ワイヤレス通信速度を最大3倍に速めている。プロセッサはSunny CoveアーキテクチャとGen 11のグラフィックスエンジンに基づいており、最大4コア/最大8スレッドを内蔵し、ターボ時にはCPUは最大4.1GHz/GPUは最大1.1GHzで駆動できる。Gen 11はラップトップのグラフィック性能を向上させ、4K HDRにより数十億色に対応し、ゲームでは最大で2倍のフレームレートを実現する。またThunderbolt 3やWi-Fi 6(Gig+)を内蔵し、最大で3倍の無線通信速度を達成。Ice Lakeを搭載したデバイスはホリデーシーズン(年末)までには登場する予定だ。
さらに、新しいラップトップ基準「Project Athena」も発表された。Athena 1.0の仕様に準拠するラップトップは1秒未満でスリープ状態から復帰し、インテルによるテスト条件(デフォルト設定、ディスプレイ輝度は250ニット、バックグラウンドのOffice 365やGoogle Chromeといったアプリにて継続的にインターネットに接続)にて、日常的な使い方で9時間以上の動作が可能だ。さらに、ローカルで動画を再生した場合には16時間以上も駆動できるという。デバイスはThunderbolt 3、Wi-Fi 6 (Gig+)、OpenVINOを搭載し、今年のホリデーシーズンには間に合う予定だ。
Lenovo(レノボ)にてコンシューマー・デバイス部門シニアバイスプレジデントを務めるJohnson Jia氏は、昨日にはクアルコムのSnapdragon搭載5Gラップトップのローンチにも関わっていたが、インテルのステージではProject Athenaに準拠した1.2kgの超軽量ラップトップ「Yoga S940」を展示した。同ラップトップもホリデーシーズンまでに発売される予定だ。
米国時間5月27日、AMDはライバルのCore i9 9920Xの1100ドル(約12万円)の半額の価格で販売される、12コアのRyzen 9 3900Xを公開した。一方、インテルのCore i9-9900KSプロセッサも注目を浴びた。第9世代プロセッサとして、8コアのCore i9-9900KSはゲームプレイと配信を同時にこなしたいゲーマー向けの製品だ。他の第9世代プロセッサと同じく5GHz駆動が可能で、さらに8コアのすべてが同時に5GHzで動作する。価格は未発表だが、こちらもホリデーシーズンまでに出荷されるとされている。
ゲーマー向けには、8コア/16スレッドの第9世代Coreプロセッサを搭載したラップトップ「Alienware M15」「Alienware M17」も発表された。2機種のラップトップは6月11日より1500ドル(約16万円)から販売される。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)