インドのオンライン学習大手Byjuが約530億円を調達、アプリ登録者6400万人超、有料購読者420万人超

インドのオンライン学習プラットフォームを運営するByju’s(ビジュス)は、企業評価額108億ドル(約1兆1400億円)とする資金調達ラウンドで5億ドル(約530億円)を調達した。情報筋がTechCrunchに語った。

このラウンドは、米国カリフォルニア州メンロパークに本社を置くベンチャーキャピタル(プライベートエクイティ)企業であるSilver Lakeが主導し、既存投資家であるTiger Global、General Atlantic、Owl Venturesも参加した。インドで2番目に価値のあるスタートアップであるByju’sは、ラウンドの規模や評価額は明らかにしなかった。

同社の共同創業者兼CEOであるByju Raveendran(ビジュ・ラヴェンドラン)氏は声明で「我々は、Silver Lakeのような強力なパートナーをByju’sファミリーに迎えることに興奮しています」と述べている。ちなみに、ラヴェンドラン氏は来週TechCrunchが開催するDisrupt 2020に出演する予定だ。

「私たちは、この危機の中でポジティブな関連性を持つ分野にいられることを幸運に思っています。オンライン学習を前面に押し出し、親や教師、生徒がその価値を体験し、理解するのに役立っています。私たちの教室は100年ぶりに変化しつつあり、学習の未来を再定義する機会にとても興奮しています」とラヴェンドラン氏は付け加えた。

Byju’sは、学部・大学院レベルのコースを目指す学生を対象としているが、近年では、すべての学校に通う学生にサービスを提供するためのカタログも拡充している。Byju’sアプリ上の講師は、ピザやケーキなどの現実世界の物を使って、複雑なテーマに取り組んでいる。

Byjuのウェブサイト画像句レット:Byju’s)

Byju’sの評価額が上昇しているのは、教育系スタートアップがその使用量が大幅に増加していることを報告しているからだ。Facebook(フェイスブック)が支援する教育技術スタートアップのUnacademyは、先週新たに1億5000万ドル(約160億円)の資金調達を実施(未訳記事)したことで、この数カ月の間にで評価額が3倍近くになった。Byju’sは6月にMary Meeker’s Bondから資金調達した際に105億ドル(約1兆1100億円)の評価を受けていたが、昨年7月には約57億5000万ドル(約6085億円)の評価だった。

今年初めにインドで新型コロナウイルスの流行が広がり始めると、インド政府は全国的な封鎖を施行し、全国の学校も閉鎖された。これにより、多くの親が子供のためにデジタル学習サービスの選択肢を模索するようになったのだ。

インドで4億人以上のユーザーを集めているものの、インド国内ではほとんど稼げていないFacebookの状況からよくわかるように、多くのインド人はオンラインサービスにお金を払わない傾向がある。しかし、教育については例外だ。インドの家族は、より良い未来への道を切り開くために、子供の教育に多額の費用をかけ続けている。

ロックダウン以来、Byju’sはプラットフォーム上で2000万人の新しい生徒を獲得した。現在、アプリには6400万人以上の学生が登録しており、年間420万人の有料購読者がいる。もちろん収益も倍増したという。

Silver Lakeの共同最高経営責任者(Co-CEO)であるGreg Mondre(グレッグ・モンドル)氏は「我々はこの投資をリードし、インドと世界中の子供たちが真の可能性を発揮できるように支援するというミッションの中で、教育技術のパイオニアであるビジュ氏と彼の優れたチームとパートナーになれることをうれしく思います」と述べている。Silver Lakeは今年初め、インドのJio Platformsにも約13億5000万ドル(約1430億円)を投資(未訳記事)している。

「Byju’sが新たなパートナーシップを構築し、革新的な教育サービスを提供する包括的なエコシステムを継続的に育成することで、魅力的な成長軌道を構築し、加速させていく中で、我々は彼らと協力していくことを楽しみにしています」。

なお、いくつかの統合も行われている。Byju’sは、子供にコーディングを教えるWhiteHat Jr.を18カ月前に3億ドル(約320億円)で買収(未訳記事)した。ラヴェンドラン氏はTechCrunchとのインタビューで、Byju’sは買収資金の一部を調達していると語った。

画像クレジット:MANJUNATH KIRAN / AFP / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

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TechCrunch Japan

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