配車サービスを利用して移動する消費者にとって、ロンドンは世界最大のマーケットの一つだ。そしていま、この移動手段を提供する企業にとってロンドンは最も競争の激しいマーケットになりつつあるようだ。今日、インドのOlaはロンドンでアプリベースの配車サービスを展開するために必要な事業許可を取得したことを認めた。同社の広報はTechCrunchに対し、2カ月後の9月に事業を開始する見込みだと語った。
「OlaはTfL(ロンドン交通局)からPHV運行ライセンスを取得した」とOlaの広報はTechCrunchにあてた文書で明らかにした。「ロンドンは世界で最もアイコン的な都市であり、革新的モビリティ環境を有している。ロンドンでOlaを展開するというのは、これ以上の喜びはない。ドライバー、乗客、政府、地元当局と協力しながらワールドクラスのモビリティを構築することを楽しみにしている。サービス開始の準備を進め、サービス開始近くになったらロンドン市民に詳細を提供する」。
Olaの国際展開は興味深いシフトだ。(Lyftのように)Olaは、主要な競争相手であるUberが世界の複数のマーケットで事業拡大するのに何億ドルもの金を投入していたとき、地域のリーダーであることにフォーカスしていた初期の配車サービススタートアップの一つだった。
また、今週はOlaにとってロンドンの事業免許獲得の他にも国際展開に関するニュースがあった。同社のスピンアウトである電気車両事業を行うOla Electricが間もなく南米で事業展開することをほのめかした。
Olaは英国で2018年にローンチし、いくつかの大都市を含む5つの地域で配車サービスを展開している。5つの地域は、サウスウェールズ(カーディフ、ニューポート、ベール・オブ・グラモーガン)、サウスウェスト(バース、ブリストル、エクセター、ノース・サマセット、サウス・グロスターシャー)、マージーサイド(ノウズリー、リバプール、セフトン、セント・へレンズ、ウィラル)、ウェスト・ミッドランズ(バーミンガム、ダドリー、サンドウェル、ソリフル、ウォールソール、ウルヴァーハンプトン)、そしてリーディングだ。
ロンドンがこのリストに加わるのは、いくつかの理由でかなり意義がある。一つにはサイズだ。ロンドンに比べると他の都市は小さい。二つ目には、ロンドンの交通を管轄するロンドン交通局(TfL)がここ何年もタクシー会社への免許発行をかなり厳しくコントロールしていて、事業を始めるにあたって運行規則に則ることを強制するからだ。これは少なくとも、Uberに対する多くの抗議を企てたロンドンのブラックキャブ運転手のロビー活動のためではない。
TfLの対応に関しては、Bolt(旧Taxify)が先月サービスを再開するまでの22カ月間、サービスを一時停止する事態となった。この前には、TfLはUberへの免許更新にからみ、プラクティスを大幅に変えなければ却下するとして、Uberは法的にかなり困った事態に陥った(現在Uberは暫定的な免許で運営している)。
Olaがロンドンのタクシー事業免許を取得したというのは、同社(Didi、ソフトバンク、Accel、Sequoia、Kia、その他60社近くを含む投資家から40億ドル近くを調達している)がインドでサービスを立ち上げた後に国際展開を続ける中でのニュースだ。インドでのOlaの利用はこれまでに1億2500万回を数えている。
また、同社のスピンアウトで電動車両事業を展開するOla Electricは昨日、ソフトバンクから2億5000万ドルを調達し、企業価値が10億ドルになったと発表した。Ola Electricを立ち上げた一つの理由は、インドにおけるエミッション抑制の必要性に応えるためだ。二つめはOlaを海外展開(ソフトバンクインターナショナルのCEOで、グループのCOOであるMarcelo Claure氏と、Olaの創業者でCEOのBhavish Aggarwal氏とのやり取りによると、特に南米だ)するのにEV事業を活用するというものだ。
Olaの広報は、ロンドンではOlaが現在英国の他の地域で提供しているものに似た標準的なサービス、そして自分の車を使ってサービスを提供する契約労働者であるドライバーのネットワークを構築したUberやBolt、その他の小さなミニキャブ会社のような配車サービス企業で利用できるものを提供することにフォーカスする、と語った。
インドでは、Olaは圧倒的なシェアを持つ配車サービス企業だ。英国に加え、同社はインド外ではオーストラリア(シドニー、メルボルン、ブリスベン、アデレード、パース、キャンベラ、ゴールドコースト)とニュージーランド(オークランド、ウェリントン、クライストチャーチ)でサービスを展開してる。
イメージクレジット: Matt Brown / Flickr under a CC BY 2.0 license
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(翻訳:Mizoguchi)