インド政府の禁止命令を受けアップルとグーグルが数十の中国企業のアプリを削除

インド政府が中国企業開発の59のアプリを禁止した2日後、Google(グーグル)とApple(アップル)はインド政府の命令に従い、世界第2位のインターネット市場のユーザーがそうしたアプリを利用できないようにし始めた。

インド政府が禁止したUC BrowserやShareit、Club FactoryといったアプリはアップルのApp StoreとGoogle Play Storeから姿を消した。グーグルの広報担当は、同社がインド政府の暫定命令をレビューし、Google Play Storeで「(対象となる)アプリへのアクセスを一時的にブロックした」と声明文で述べた。

アップルもインド政府の命令に対しグーグルと同様の措置を取ったが、コメントの求めに応じなかった。

この件に詳しい人物は「ByteDance(バイトダンス)を含むいくつかのデバロッパーは自発的にアプリをインドでアクセス不可にした」とTechCrunchに語った。

インドの通信省は今週初め、通信ネットワークやインターネットサービスプロバイダーに「すぐさま」59のアプリへのアクセスをブロックするよう命じた。こうしたアプリの多くのウェブサイトがインドでアクセス不能になった。

両社のソフトウェアは地球上のほぼ全部のスマートフォンを動かしているが、これら2社の6月2日の動きは、このところ中国とインドの間でこれまでになく緊張が高まっている中でのものだ。

論争が展開されているヒマラヤ国境地帯で、国境を接する2国の間で先月あった小競り合いではインド兵20人が殺害され、緊張が一気に高まった。今週初め、インドは国家のセキュリティの懸念を理由にByteDanceのTikTokを含む59本のアプリを禁止した。一部の人は報復とみている。

禁止命令の中でインドの電子情報技術大臣は「これらのアプリがユーザーのデータを収集してマイニング・プロファイリングしていて『インドの安全保障と国防』にとって脅威となる」と主張した。

インド政府は一部の企業の役員を招いて懸念に応える機会を提供した。TikTokのCEOであるKevin Mayer(ケビン・メイヤー)氏は7月1日「TikTokがインドのプライバシーやセキュリティに関する必要条件を満たしていて、今後さまざまな利害関係者と会うことを楽しみにしている」と述べた。

7月2日、中国のソーシャルネットワークWeiboは、インド大使館の要望でインドのNarendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相のアカウントを削除したと明らかにした。アカウントが削除される前、モディ首相は20万人超のフォロワーを抱えていた。

インドは近年、シリコンバレーと中国の企業にとって最大の「戦場」となっていた。グーグルやFacebook(フェイスブック)、Amazon(アマゾン)といった米国のテックグループのように、Tencent(テンセント)やByteDance、Alibaba Group(アリババ・グループ)を含むいくつかの中国企業も過去10年、アグレッシブにインドで存在感を高めてきた。インドにユーザー2億人を抱えるTikTok(未訳記事)は、アジア第3位の経済であるインドを中国外における最大のマーケットとしてとらえている。

アプリ調査会社App Annieの幹部がTechCrunchと共有したデータによると、LikeeやXiaomi(シャオミ)のMi Community、TencentのWeChatなどが含まれる59本のアプリの先月の月間アクティブユーザーベースは合計で5億人超だった(インドのスマホユーザーのかなりの割合がこうしたアプリのいくつかを使用していて、オーバーラップも多数ある)。

画像クレジット: PRAKASH SINGH / AFP / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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