SpaceX(スペースX)のCEOことElon Musk(イーロン・マスク)氏によると、ホリデーシーズンはテクノロジー業界の多くの企業にとって活動が停滞する時期かもしれないが、同社にとっては最新のStarshipプロトタイプ「Starship SN1」の生産性を強化する時期だったという。飛行可能なStarshipのプロトタイプはテキサス州ボカ・チカにあるSpaceXの開発施設で建設中で、マスク氏は先週末にその製造と組み立てを監督していた。
マスク氏はStarshipの主要部品の中でも「最も難易度が高い」と呼ぶ、完成したStarship SN1(Serial Number 1の略で、オリジナルのプロトタイプに使われていた「Mark」という命名法から離れ、より反復的な命名法に)の上部に位置する湾曲したドームの製作に取り組んでいる、SpaceXチームのビデオを共有した。彼はStarshipのSNは少なくとも20バージョンまで小さな改良が加えられると付け加えており、これはすなわち急ピッチでテストが行われることを意味する。
マスク氏はいつStarshipが実際に打ち上げられるのかについて「2〜3カ月後」と述べており、これは今年にプロトタイプのStarship Mk1が公開された時の、高高度テスト飛行のスケジュールと合致する。このプロトタイプは当初、高高度テスト用に飛行するものと位置づけられていたが、11月のテストでドーム部分が吹き飛ばされて以来、同氏はMk1の修理や再構築を試みるのではなく、新しい設計に移行すると述べている。
マスク氏はまた、Starshipの建設プロセスについての新しい詳細を共有し、2020年1月にSpaceXは将来の宇宙船ことStarship SN2の建設プロセスを、閉鎖された建物内に移行する予定だという。これは主に、ボカ・チカで経験した風の影響を遮断するためではあるが、ステンレス鋼(Starshipの胴体の主要材料)の溶接はアルミニウムよりも、塵や破片に対する危険性がずっと低いとも同氏は述べている。
マスク氏は別のツイートにて、宇宙船開発におけるSpaceXの以前の運用モデルからのもう一つの変更を詳述している。Starshipの開発は現在ボカ・チカに集中しており、一方でケープカナベラルのチームは「Falcon/Dragonに焦点を当てている」という。今まで、SpaceXは両方の拠点で2つのチームが並行してStarshipのプロトタイプ開発に取り組んできた。なお同氏は、ケープカナベラルで現在開発中のもう1つの初期プロトタイプことStarship Mk2の今後の詳細を明らかにしなかった。
そのほか、同氏が所有する採掘会社で2020年にラスベガス地下のトンネルを車両に開放する見通しであるThe Boring Co.(ボーリング・カンパニー)や、2020年または2021年にカリブ海地域の顧客にサービスが提供される可能性があるStarlink(スターリンク)、チョコレートチップマフィン(チワワのネットミーム)に関する最新情報も共有した。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)