イーロン・マスクはこのところ好調だ。Rick & Mortyのファウンダーに賞賛されたし、メリーランド州でもトンネル掘削の許可を得るのに成功した。The Boring Companyは本社付近のカリフォルニア州ホーソーン市ではすでに許可を得ている。
メリーランド州で建設予定の新しいトンネルは全長16.5kmで、州政府が所有するボルティモア-ワシントン・パークウェイの地下を利用するルートだ。メリーランド州のトンネルはワシトンとニューヨークを結ぶ一大トンネル・ネットワークの出発点として構想されている。 LA Timesの記事によればこのネットワークはボルティモア、フィラデルフィアの都市中心部にも乗降施設を設けるという。
マスクのBoring Companyは2基目のシールド掘削システムを導入してさらに勢いを増している。新システムはいつでもモグラのように地下を進む用意ができているということだ。メリーランド州は「現段階では資金面での援助は行わない」という条件付きで掘削を認めた。もっともこの条件はマスクにとってさして不利益をもたらすものではないだろう。もともと短いトンネルではあるし、この程度の建設資金はアミューズメント施設として観光客を集めることでまかなえるのではないか。
メリーランド州交通局長のPete RahnはLA Timesのインタビューに答えて、「イーロン・マスクの今回の申請は公共インフラを施設するためにトンネル掘削とほぼ同様のものだった。われわれはこうした掘削計画にひんぱんに許可を与えてきたので、〔その審査は〕そう困難なものではなかった。とはいえ、今後州を横断する本格的なHyperloop
Oneトンネルを実現するとなれば各種の手続きをクリアするためにかなりの作業が必要だろう」と述べた。
一方でマスクが火星植民のための大型宇宙ロケット開発の努力を続けていることもよく知られている。〔独立戦争のとき、教会の塔のカンテラが〕「一つなら敵は陸から、二つなら海から来る」と取り決めた話は有名だが、この流儀でいくとわれわれは「二つなら地下トンネルで、三つなら宇宙船で旅する」ことになるのかもしれない。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)