ウルグアイ初のユニコーン、クロスボーダー決済「dLocal」が166億円の調達で評価額は4倍の5535億円超に

クロスボーダー決済のスタートアップdLocalは、前回12億ドル(約1328億5000万円)の評価額で2億ドル(約221億4000万円)を確保してから7カ月も経たないうちに、このたび50億ドル(約5535億3000万円)の評価額で1億5000万ドル(約166億円)を調達した。

これは、設立5年目になるこのウルグアイの企業が、わずか数カ月の間に評価額を実質4倍にしたことを意味する。

今回のラウンドはAlkeon Capitalがリードし、BOND、D1 Capital Partners、そしてTiger Globalが参加した。前回のラウンドはGeneral Atlanticが主導し、2020年9月にクローズした。このラウンドによりdLocalはウルグアイ初のユニコーンとなり、ラテンアメリカで最も企業価値の高いスタートアップの1つとなった。

dLocalは、グローバル企業のマーチャントと、アジア太平洋、中東、ラテンアメリカ、アフリカの29カ国にいる「何十億もの」新興市場の消費者を結びつける。eコマース事業者、SaaS企業、オンライン旅行業者、マーケットプレイスなど、325社以上のグローバル企業がdLocalを利用して、600以上のローカルな支払い方法に対応している。またこれらの顧客は請負業者や代理店、販売者への支払いにも同社のプラットフォームを利用している。dLocalの顧客には、Amazon(アマゾン)、Booking.com(ブッキング・ドットコム)、Dropbox(ドロップボックス)、GoDaddy(ゴーダディ)、MailChimp(メールチンプ)、Microsoft(マイクロソフト)、Spotify(スポティファイ)、TripAdvisor(トリップアドバイザー)、Uber(ウーバー)、Zara(ザラ)などが含まれる。

今回のラウンドの発表とあわせて、dLocalはSumita Pandit(スミタ・パンディット)氏をCOOに任命した。パンディット氏は元JP Morganのフィンテック担当グローバルヘッド兼マネージングディレクターで、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)にも在籍していた経験がある。

dLocalのCEOであるSebastián Kanovich(セバスチャン・カノビッチ)氏は、声明の中でこう述べた。「スミタ(・パンディット)は、フィンテック分野の投資銀行家として高い評価を得ており、彼女は、世界で最も成功しているフィンテック企業がグローバルリーダーになる過程でのアドバイスを行うという重要な役割を果たしてきました」。

一方、前COOのJacobo Singer(ヤコボ・シンガー)氏はdLocalの社長に昇格した。

同社は新たな資本を活用して技術を強化し、地理的な拡大を続けていく予定だ。

AlkeonのジェネラルパートナーであるDeepak Ravichandran(ディーパック・ラヴィチャンドラン)氏は、新興市場はデジタル決済分野で最も急速な成長が期待できる機会だと考えている。

「しかし、グローバル企業がこれらの市場にアクセスしようとすると、ローカルな支払い方法、国境を越えた規制、その他の運用上の障害など、複雑な問題に直面することが多くあります。dLocalのユニークなプラットフォームは、単一の統合された決済ソリューションにより、数十億人の顧客にリーチし、支払いを受け付け、送金を行い、グローバルに資金を決済できるようにすることで、マーチャントに力を与えます」。

カテゴリー:フィンテック
タグ:dLocal資金調達ユニコーンウルグアイクロスボーダー決済

画像クレジット:Cattallina / Shutterstock

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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