Pixelスマートフォン最大の強みはOSアップデート提供期間
Pixel 4とPixel 4 XLはAndroidを提供しているGoogle(グーグル)自身が開発しているスマートフォン。2016年のPixelシリーズ、2017年のPixel 2シリーズは日本では発売されなかったが、2018年のPixel 3シリーズから日本でも正式に販売が開始された。
Pixelスマートフォン最大の強みはOSのアップデート提供期間。例えばPixel 4、Pixle 4 XLなら、Androidバージョンアップデート、セキュリティアップデートが2022年10月まで最低提供期間として保障されている。また当然、最新OSもいち早く提供される。最新Androidの機能をすぐに利用したいのなら、Pixelシリーズ以外に選択肢はない。
スマホのUIを大きく拡張する可能性を秘める「Motion Sense」
Pixel 4が5.7インチ、Pixel 4 XLは6.3インチの有機ELディスプレイを搭載しているが、画面サイズ、解像度、本体サイズと重量、バッテリー容量以外のスペックはすべて同一。プロセッサーはSnapdragon 855、メモリーは6GB、ストレージは64GBまたは128GBを搭載している。Snapdragon 865が登場したいまプロセッサーは型落ちとなっているが、処理性能的にはフラッグシップクラスと言って差し支えない。
Pixel 4、Pixel 4 XLの売りの1つが機械学習を活用したカメラ機能。確かに、天の川さえ撮影できる夜景モード、一眼レフカメラのようなリアルなボケ効果を実現するポートレートモード、超解像技術による8倍デジタルズームなどで生成される画像は、グーグルのソフトウェア技術の凄みを感じさせるものだ。
一方、カメラで残念なのは超広角が搭載されていないこと。Pixel 4、Pixel 4 XLは広角カメラと望遠カメラという組み合わせだ。個人的には望遠よりも超広角カメラのほうが利用頻度は高いし、実際最新のデュアルカメラ搭載スマホの多くが超広角と広角の組み合わせだ。次期モデルではうわさどおり、超広角、広角、望遠のトリプルカメラ構成でぜひリリースしてほしいところだ。
さて、現在、Pixel 4、Pixle 4 XLだけで利用できる機能が、端末に触れることなくジェスチャーだけで操作できる「Motion Sense」。本機能は電波法の規制により発売当初は日本では封印されていたが、2月4日より日本国内でも順次利用可能となった。
現時点では音楽の曲送り、アラームのスヌーズ、電話の着信音をサイレントにしたり、顔認証の高速化に利用するなど用途は限定的だが、Motion Senseのために搭載されているレーダー「Soli」は、指同士の距離、指の重なり、3次元の位置などを検出可能。スマートフォンのユーザーインターフェースを大きく拡張する可能性を備えているので、今後多くのアプリケーションで利用できるようになることに期待したい。
カメラは市場のニーズに逆行、Motion Senseの可能性に期待
iPhoneと比較した場合、設定の自由度という点ではPixel 4、Pixel 4 XLのほうが上だ。例えば、Pixel 4、Pixel 4 XLは顔認証の際にロック画面をスキップできる。この使い勝手に慣れると、iPhoneのスワイプ操作が面倒に感じられる。
しかしカメラの構成は、超広角カメラを備えたiPhone 11シリーズのほうが市場のニーズに応えていると思う。グーグルのソフトウェア技術を考慮に入れても、一般的なシチュエーションで写真を撮るならiPhone 11シリーズのほうが使い勝手はいいだろう。
とは言え、個人的にはMotion Senseに非常に大きな可能性を感じている。現時点でサードパーティーにAPIを提供するかどうかは未定とのことだが、それならばサードパーティー製非対応アプリでも利用できるように、OSのユーザーインターフェース自体にMotion Senseの機能を組み込んでほしいところだ。
機能性を考えれば非常に小さなSoliだが、全画面ディスプレイ搭載スマホ全盛のいまとなっては、ディスプレイ上部の大きなベゼルは野暮ったい。技術的に可能なのであればディスプレイの裏にSoliを埋め込んでほしい。
【Japan編集部追記】現在Pixel4シリーズのSIMフリーモデルでは、Pixel4の64GBモデルが8万9980円、128GBモデルが10万3950円、Pixel4 XLの64GBモデルが11万6600円、128GBモデルが12万8700円。また、ソフトバンクがPixel4の64GB、128GBモデルを取り扱っており、48回払い時の月額支払い金はそれぞれ1830円、2120円。24回払いだと3660円、4240円。