エミー賞俳優のケリー・ワシントン氏がスタートアップ投資家になった理由

「Scandal」(スキャンダル )や「Little Fire Everywhere」(リトル・ファイアー〜彼女たちの秘密)などで知られる俳優のKerry Washington(ケリー・ワシントン)氏は9月15日、自身にとって初となるエミー賞を受賞した(InStyle記事)。そして米国時間9月16日、同氏は主に投資家としてTechCrunch Disruptに登場した。

ワシントン氏のテクノロジーへの関心は2012年のScandalプレミアに遡る。「黒人女性がネットワーク番組のドラマで主演を演じてからおおよそ40年が経っていた」と同氏は述べた。プレッシャーは大きく「黒人女性を自主演に抜擢することでリスクをとった」ネットワークの「バブル番組」だとScandalは考えられた。

そしてワシントン氏は支持を得るために「Barack Obama(バラク・オバマ)氏の2008年と2012年の大統領選キャンペーンでの自身のボランティア経験(Politico記事)、特にソーシャルメディア対応を整理する活動の体験を参考にした」と話した。

「従来のメディアは私たちをサポートしておらず、あるいは社会の反応がどのようなものになるのか待っていて、初めから私たちはドラマを支えるためにテクノロジーの力に頼った」と同氏は話した。「Twitterの世界のおかげで2つめのシーズンに漕ぎ着け、そこから始まったと本当に思っています」。

「どういう理由で自身の資金をスタートアップに注ぐようになったのかについては、より深く関わりたかったから」と語った。

「私が関わるクリエイティブな関係のあらゆることへの関与となると、私は声を出さずに黙って座っていられない。たとえば、キャリアの早い時期にプロデューサーになるという方向に引き寄せられた」と話した。

同様にテックツールを使うことはエキサイティングだったが「さらに多くの株やインプット、クリエイティブな声、テクノロジーそのものに影響を与える能力をどうやったら持つことができるのか理解することは私にとって本当に刺激的だった」と同氏は語った。

ワシントン氏の最初の投資は女性向けのコワーキングスペースThe Wing(ザ・ウィング)だった(Hollywood Reporter記事)。「包括性とコミュニティ、本当にインクルーシブな方法でのアイデンティティの祝福、女性の声のサポート、おなざりにされていた声のサポートというアイデア」へのコミットメントの一環としてだった」と同氏は説明した。

The Wingは成功したが議論も呼んだ。ニューヨークタイムズ紙は「多くの従業員(特に有色人種の女性)が不平等に扱われたと感じた」との記事を掲載した。批判の結果、CEOのAudrey Gelman(オードリー・ゲルマン)氏が今夏社を去った。

論争への彼女自身の反応について質問されたとき、ワシントン氏は「投資家として、有色人種の女性として、私にとってもっと透明性と責任があることが重要だ」と答えた。同氏は、過去数カ月の投資家としての自身の役割は「この移行期におけるリーダーシップをサポートすること」だったと話し、透明性と責任を「心から望む」との意を示した。

他の投資には、セレブリティがテキストメッセージによるファンとの会話を管理できるCommunity(コミュニティ)がある(ワシントン氏はもしあなたが彼女にテキストしたら、本当に返事をするのは彼女自身だと約束した。ただ、彼女は「数え切れないほどの人」とテキストしているため、辛抱強く待ってほしいとお願いした)。また、消費者直結型の歯列矯正スタートアップのByte(バイト)にも出資していて、彼女自身もByteのサービスを使用していると話した。

夢のスタートアップについては、同氏はまだ発表していない消費者直結のファッションスタートアップへの投資があるとし「今のところそのスタートアップが夢のようだ」と語った。繰り返しになるが、こうした投資は全て個人的なものだ。ワシントン氏は今後ファンドを立ち上げたり、ベンチャーキャピタル会社に加わったりするだろうか?

「検討したことはあるが、現時点ではこれまでの投資とより密で、実際的な関係を持ちたい。もっと深く掘り下げることができ、また個人投資家としてより大きな価値をもたらすことができると考えている」と話した。

画像クレジット:Simpson Street

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

 

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。