さて、これは流行するのだろうか。これというのは、テルアビブのDigigageが開発したエレベーター用のデジタルスクリーンだ。エレベーターを使って「乗客を深海に誘う」プロダクトだ。確かにこれがあれば、たまたま乗り合わせた人と過ごす気まずい雰囲気を和らげることになるかもしれない。
このスクリーンは、エレベーターの壁に埋め込むタイプのものだ。このスクリーンに映し出される映像はエレベーターの動きに感応して上下に動くことで、インタラクティブなデジタル壁紙として機能するわけだ。サンゴ礁の海に潜ったり、あるいは浮上していって、現実の世界に出てくることになるわけだ。尚、スクリーンには最新ニュースなどを併せて表示することもできる(メイン画面でも、もちろん海以外のものを表示することもできる)。
かなり大きな仕掛けだが、事業展開の可能性はどれほどのものだろう。Digigageは強気の姿勢を見せている。
「エレベーター市場におけるコンテンツおよび各種情報取り扱いのプラットフォームとして攻勢をかけていくつもりです。たいていのエレベーターに取付可能で、利用者の満足度向上を狙うことができます。新たなコミュニケーションを生み出す可能性もあるでしょう」と、CEOのJonathan Einavは言っている。
プロダクトはまだうまれたばかりで、いろいろと機能改善の余地もありそうだ。今のところは相当に高いビルでなければ面白みが感じられないかもしれない。これまでも高層階用エレベーターを中心に、内部に小さなテレビをつけるという事例はみられた。このテレビを見ていれば、狭いエレベーターの中ながら、他の人との交流を避けて自分の世界に入り込むことができた。そうした小さなテレビの発展形にあたるものであるわけだ。エレベーター・フィッシュをあちこちで目にすることになるのかどうか、今後を見守っていきたい。
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(翻訳:Maeda, H)