過去2年は最近の記憶の中でも特別にけったいな年だが、その数々のおかしなことの中に、カセットテープの復活というサプライズが加わる。ビニールのレコードはこのところ強力に復活しているが、それを継いだメディア〔カセットテープ〕も好調な12か月を経験し、Nielsen Musicによるとアメリカにおける売上は35%増加した。
カセットテープは過去10年ほどビニールが経験しているロマンチックなルネッサンスの路線には乗っていないようだが、でもポップカルチャーのさまざまな話題がその数を押し上げている。その貢献要因の最上位3つは、Guardians of the Galaxyのサウンドトラックが占め、このメディア形式の2012年以降で最良の年を作った。
そのMarvel Cinematic Universeの映画と2017年の続編は、かつて強力だったメディアに新しいロマンチシズムを持ち込んだ。同じくNetflixのStranger Thingsシリーズも、この夏カセットテープによるサウンドトラックを出してカセットの人気復活に貢献した。こういうレトロなサウンドトラックが、貢献最上位4位までを独占し、またHamiltonのミックステープが6位だ。PrinceのPurple RainやNirvanaのNevermindのような、時代を象徴するアルバムも上位に入っている。
アメリカの総売上は17万4000本となり、一昨年(2016)の12万9000を上回った。その前の2015年と比べると、74%というすごい増加だ。しかしこの年(2017)のビニールの売上は1432万枚(前年比9%の増)に比べると、微々たる量だ。
しかしそれでもなお、2017年のアルバムの全売上数1億6910万の中では、大海の水一滴にすぎない。でもアルバム総数は前年比で17.7%ダウンしている〔リスナーをインターネットに取られている〕中では、業界にとって良いニュースだ。