カフェ難民に朗報、15分100円から席が借りられるCoin Spaceがローンチ

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カフェ以外のサードプレイスを

街のカフェはちょっとした時間に休憩したり、簡単な打ち合わせをしたり、仕事したりする人たちの受け皿になっている。しかし、本来は利用目的によって適した場所は違うだろう。コーヒーが飲みたいわけではないが、他に適当な場所がないからカフェに入ったという人も多そうだ。コインスペースは本日、ユーザーの利用シーンに応じて、適切な居場所を提供をする空きスペースのシェアリングサービスをローンチした。

この手のシェアリングサービスには、他にも会議室を中心とするSpacee(スペイシー)イベント会場から宿泊先まで幅広く取り扱うスペースマーケットなどいくつかある。コインスペースの使い方自体は、そういったサービスと大きくは変わらない。店舗が空きスペースの情報と空き時間を掲載し、ユーザーはそれを見て予約する仕組みだ。ただ、他のシェアリングサービスと違うコインスペースの特徴は、ユーザーが場所を貸し切るのではなく、10分から座席単位で場所を予約できることだ。場所を借りるというよりは、カラオケや漫画喫茶などの時間単位で席を借りる仕組みに近い。

コインスペースの予約画面

コインスペースの予約画面

現在コインスペースは、渋谷マークシティにあるクリエーションスクエアしぶやで観光案内を併設した時間貸しスペースを運営している。2月1日からは、QFRONT8階にある飲食店「ぷん楽」の店舗もコインスペースに掲載予定だ。ぷん楽の通常の営業時間は17時からだが、飲食店が営業していない10時から15時までの時間帯をコインスペースで貸し出す予定だという。店舗や席によって利用できる設備に違いはあるが、基本的にWiFi、電源、ホワイトボードがあり、飲食の持ち込みも可能だという。利用価格は15分100円からだ。

当初はスペースを貸し出す実店舗を運営していて、今回のウェブサイトのローンチを持ってシェアリングサービスにシフトしたとコインスペースの代表取締役を務める佐藤悠太氏は説明する。コインスペースはそもそもリアル店舗を運営していたデジサーフから佐藤氏が事業譲受し、改めて2016年1月に創業した。過去には期間限定で東急プラザ渋谷、QFRONT、ハイマンテン渋谷ビルでコインスペースを運営してきた。コインスペースではスペース貸し店舗を運営するための管理システムを開発していて、今回そのシステムを他の店舗でも使っていないスペースを時間貸しスペースとして掲載できるように開放したという経緯だ。

ユーザーはコインスペースで使いたい場所を検索して、席を予約できる。予めクレジットカードの決済情報を登録しておく仕組みなので、利用料の決済も自動だ。店舗側のスペースの掲載は無料で、コインスペースは取引手数料を得る形だ。店舗は席の貸し出す価格なども自由に設定できる。管理システムからは売り上げや予約状況をリアルタイムで確認でき、基本的には無人でも貸しスペース運営ができるという。使っていない時間帯に店舗を空けるだけで、副収入が得られるようになると佐藤氏は説明する。

コインスペース

コインスペースの管理画面

2度目の挑戦

コインスペース代表取締役、佐藤悠太氏

コインスペース代表取締役、佐藤悠太氏

佐藤氏にとって、コインサービスは2度目の挑戦となる。以前、佐藤氏はモバイル電子チケットサービスmoggyを立ち上げたが、売り上げの伸び悩みに直面し、サービス閉鎖という挫折を味わった。コインスペースではウェブだけでなく、店舗運営が基盤にあるので手堅いビジネスにしていけることを期待しているという。

「ウェブだけで完結するサービスでは現場の声が見えづらく、システムで解決できると考えがちでした」と佐藤氏は話す。自分たちでコインスペースの実店舗を運営することには多くの気づきがあったそうだ。例えば、スペースを貸し出す店舗の気持ちやアルバイト店員がオペレーションのために簡単に使えるUI設計とはどのようなものかなどを理解するきっかけになった。また、実際にどういう人がサービスを使っているか、目に見えて分かったのも大きいという。コインスペースを開店した当初、ビジネス利用が9割を占めると予想していたが、実際にはビジネス利用の他に、マンツーマンの英会話レッスンをしている人や手芸をしている人、カードゲームをしている人など様々な人が様々な用途のためにコインスペースを利用していることに気づいたそうだ。

「コインスペースが目指すのは、色んな利用シーンやニーズに合わせて最適なサードプレイスを提供することです」と佐藤氏は話す。同じような仕組みで利用できるコワーキングスペースなどもあるが、コインスペースは仕事をする場所を提供することに限定していない。個人レッスンでも趣味を楽しむ場所でも、「こういうことがしたいのに場所がない」という課題を解決したいと話す。はじめのうちはユーザーの利用に適しているか掲載場所をコインスペースで審査していく計画だが、年内には渋谷を中心に100店舗以上の掲載がある状態を目指すと佐藤氏は話している。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。