一歩ずつ、Square(スクエア)は新しい銀行を一から作っている。米国時間7月20日、同社は新たなプロダクト、Square Banking(スクエア・バンキング)の提供を開始した。当座預金口座と貯蓄口座にデビットカードとローンを組み合わせたサービスだ。Square Bankingを使えば金銭のことはすべてSquareを通じて簡単に管理できる、とスモールビジネスを説得したいと同社は考えている。
当初決済処理サービスとして始まったSquareは、2019年にデビットカードをビジネス顧客向けに提供した。こうすることでビジネスオーナーは、Square支払いを通じて得られたお金を別の銀行に送金することなく使い始めることができる。
この日の発表で、同社はデビットカードからさらに拡大して、当座預金口座と貯蓄口座を提供する。売上があるたびに、オーナーはそのお金を新しいSquare当座預金口座で利用できる。月間利用手数料や信用調査、最低残高などはない。
そしてこれは従来どおりの当座預金口座なので、自分専用の口座と銀行支店コードをもらえる。つまり、自分の口座で資金を直接入出金できる。舞台裏では、現在当座預金口座はSutton Bankが提供しており、預金はFDIC(連邦預金保険公社)に保証されている)。
Squareは貯蓄口座も提供開始した。自社の決済サービスを通じて顧客の売上を管理していることを活かしたサービスだ。利用者はSquareによる販売売上から貯蓄する割合を決めることができるので、毎日考えることなくお金を貯められる。売上税、新規の機器など異なるビジネスニーズごとにフォルダーを作ることもできる。
現在Squareは、年利0.50%を提供しているが、この利率が保証されているのは2021年末までだ。Square内の貯蓄口座と当座預金口座の間の資金移動は無料で即時に実行される。貯蓄口座もFDICに保証されている。
さらにSquareは、ビジネスローンを同社が提供する他のバンキングサービスと統合する。ローンサービスの名称であるSquare Capital(スクエア・キャピタル)ではなく、「Loans」(ローンズ)と呼んでいる。Squareは、Square Financial Services(スクエア・ファイナンシャル・サービス)の承認手続きを最近完了し、この融資商品が今後の会社戦略で重要な位置を占めることを明らかにした。
従来のビジネローンと比べて、Squareは返済方法を単純にした。日々のカード取引から一定のパーセンテージを天引きするので、売上の多い日には多く、少ない日には少なく返済する。ただし、ビジネスを一時的に閉鎖した時は60日ごとに最低金額を返済しなくてはならない。
Square Bankingは、現在対面販売やオンライン販売の決済手続きにSquareを使っているスモールビジネスにとって特に興味深いサービスだ。その人たちはSquare以外のビジネス銀行口座も持っている可能性が高い。しかし、Squareがバンキング製品に機能を追加し続けるうちに、別の口座の利用頻度がどんどん減っていくことに気づくかもしれない。
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(文:Romain Dillet、翻訳:Nob Takahashi / facebook )