Maxthonは、ChromeやFirefoxやSafariほど名前を知られていないと思うが、しかしこのクラウドから提供されるブラウザはグローバルに人気があり、各月140か国から1億あまりのユニークビジターがある。同社のVP Karl Mattsonによると、Maxthonの成長を支えているのは主にWebデベロッパやゲーマーたちで、彼らはこのクラウドブラウザのメモリ管理機能や、Flash対応、GPUアクセラレーション、それにHTML5のサポートが気に入っている。
“われわれはHTML5の将来性を確信しており、ブラウザでできることは何でもやりたいと考えている。それが、ゲームのデベロッパをはじめHTML5に肩入れしようとしている人たちの仕事を、楽にすることにつながる”、とMattsonは言う。
北京の会社だが、オフィスはサンフランシスコとロサンゼルスと香港と上海にあり、創業は2006年、ファウンダは当時シンガポール国立大学の技術者だったJeff Chenだ。ChenはMyIEのコーディングをそのファウンダに代わって引き受け、それをユーザ数600万のコミュニティに育てた。Maxthonの最初のバージョンは、彼らからのフィードバックに基づいて作った。今のバージョンはベースがChromiumで、Chromeのエクステンションがそのまま使える。
Mattsonによると、Maxthonは三つのことをとくに重視している: パフォーマンス、ポータビリティ、そして独創性。
このブラウザはどんなプラットホームでも使えるので、MacとWindows、複数のモバイルオペレーティングシステムなど、いろんなプラットホームを使っているユーザにとって便利だ。複数のデバイスに亙るデータのシンクは、Maxthon Passportアカウントでできる。
また、Maxthonはローカライゼーションを熱心に行っているので、国際的なリーチが広い。たとえば同社はロシア最大の検索エンジンYandexと組んでMaxthonの完全なロシア語化を行った。またMac用の中国語バージョンには、中国最大の決済サービスAlipayがプレインストールされている。
ブラウザ本体の機能が豊富なのでプラグインなどのインストールを必要としないことが多いが、Maxthon自身のエクステンションでブラウザをカスタマイズするオプションはある。
Maxthonの強みはセキュリティとプライバシーにもある。NSAの覗き見行為がバレてからは、それがなお一層Maxthonの人気に貢献するだろう。Maxthonは、AES 256による暗号化を使っている。
“政府機関などからユーザの情報を求められても、それはどこにも見つからないだろう”、とMattsonは言う。“もっと端的に言えば、それをわれわれが政府などに提供することは、技術的に不可能だ。プライバシーに関わる情報は暗号化されて保護されているから、われわれがディスクを渡したとしても、その中身はゴミにしか見えない”。
MaxthonはWI Harper、Charles River VenturesなどのVCと、Skype の初期の投資者Morten Lundから資金を得ている。収益源は、有料サービスの売上だ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))