Boxは、主催するBoxWorksカンファレンスで、同社のクラウドストレージシステムに格納した文書を、もっとスマートにすると発表した。近くサポートされるメタデータを活用する。
一見、これは大した話には見えない(少なくとも、私のように「メタデータ」という言葉にうさんくささを感じる人間にとって)、しかしBoxの製品およびプラットフォーム担当SVP、Chris Yehはこれを、Boxプラットフォームにとって近年で「最も重要な変更」だと言った。これでBoxはファイル名と日付だけでなく、様々なコンテキストを持てるようになったからだ。また、Box文書を使用している企業やサービスは、そのメタデータを使ってワークフローを作ることもできる。
BoxのプラットフォームチームのTed Blosserは、メタデータがいかに文書の価値を高めるかを示す例を次々と紹介した。例えば保険の請求書類なら、請求番号、証券番号、状態などを付加できる。法律文書なら、原告の詳細データを追加できる。そして、メタデータはすべて検索可能だ。
メタデータが文書の価値を高めるより具体的な例を示すために、BoxはToyotaのGreg Cannanを壇上に招き、彼は「自動車は益々洗練されていくのに、マニュアルはそうではない」と話した。Cannanは、マニュアルがこれ以上厚くなると、クルマのグローブボックスに入らなくなる、と予言した。
一つの解決策:マニュアルをモバイルデバイスに入れる。Boxは、同社プラットフォームに保存された文書とメタデータに基づいて作られた、操作マニュアルのモバイルアプリを披露した。このアプリがあれば、Bluetoothデバイスをクルマに接続するやり方を簡単に見つけることができ、マニュアル中の画像のインテリアを赤から黄褐色へと簡単に変えられる。
この機能は、BoxのUIおよびAPIで来年初めから利用可能になる、とYehは言った。
プレス向けQ&Aで、ある記者から、多くのユーザーはどんなメタデータを付加したらよいかわからないのでは、という質問があった。Levieは、現時点ではどんなメタデータが有用かをすでに知っている企業を対象にしており、そうでない場合はメタデータ追加のための別システムを作る必要があると語った。また今後は「文書に何が入っているかを表現する画期的な方法」を追加したいと彼は言った。例えば、文書の内容から自動的に情報を収集し、関連するメタデータを付加するなど。
同社はBoxWorksの基調講演で、Box Notesと呼ばれる軽量エディティングツールを発表し、これからの文書プレビューやモバイル体験の様子を披露した。
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(翻訳:Nob Takahashi)