クラウドワークスが11億円調達、デジタルガレージと提携で海外進出も視野

ネット上で仕事を発注したい人と受注したい人を結ぶクラウドソーシングサービスを提供するクラウドワークスは2日、サイバーエージェント(CA)とデジタルガレージ(DG)投資子会社のDGインキュベーション、電通デジタル・ファンドから新たに総額11億円の資金調達を実施した。これに伴いCAやDG、電通グループと提携し、業務拡大やシリコンバレー進出を図る。

クラウドワークスはアプリ開発やホームページ制作、デザインなどの仕事をネット上で受発注できるサービス。12月現在で累計発注者数は1万8000社、会員登録数は8万人、登録された仕事の予算総額(仕事マッチング前の金額)は50億円を突破。月間の流通総額(仕事マッチング後の金額)は前年比14倍、平均登録者数は同5倍を超えるペースで成長しているのだという。

自治体や企業とも協力体制を結んでいて、2012年には岐阜県と福島県南相馬市、2013年にはヤフーやベネッセと提携している。10月にはテレビ東京と提携し、同局の有力視聴者層である50歳以上のシニア層に向けたクラウドソーシングサービスを開始。クラウドワークスの全ユーザーの7%を占め、増加傾向にあるシニアユーザーへのサービスを強化している。

今回の資金調達に伴い提携したCAとはまず、クラウドワークス上で「Ameba芸能人・有名人ブログ」のブログデザインのコンテスト企画を実施。DGとは、同社の決済ソリューションを連携させ、新たにアメックスやダイナーズの決済に対応する。DGがサンフランシスコに拠点を構えるインキュベーション施設への入居も検討し、2014年からシリコンバレーと連携してグローバル展開のマーケティングを行っていく。

「クラウドワークスは日本語サイトしか開設していないにも関わらず、すでに65カ国でユーザー登録、135カ国からアクセスがある状態。リクルートのFreelancer.comの買収提案の話を受けて、クラウドソーシング業界でもグローバルな競争が進むと考えており、そのためのマーケティングを開始する予定です。」(クラウドワークスの吉田浩一郎社長)

矢野経済研究所の調べによれば、2013年度のクラウドソーシング市場規模(仕事依頼金額ベース)は前年度比230.9%の246億円と予測されている。2011年度から2017年度までの年平均成長率は79.3%で推移し、2017年度には1474億円に達する見込みだという。国内でサービスを提供するクラウドソーシング業界では、翻訳業務に特化した「Gengo」が2013年4月に1200万ドルの資金調達を実施したが、それと同等規模の今回の資金調達は、成長市場にあるクラウドワークスへの期待の表れといえそうだ。


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TechCrunch Japan

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