グーグル、グリー、クックパッドの出身者が設立したクービックが2月9日、サロンの当日予約に特化したiPhoneアプリ「Popcorn(ポップコーン)」をリリースした。恵比寿や渋谷、代官山の美容院やネイル、エステなどのサロンを中心に、最大70%オフ、平均30%オフの価格で提供する。
掲載するサロンは、クービックのスタッフが厳選したという店舗のみ。当日限定という縛りがあるかわりに、人気サロンのサービスが安価に受けられるというわけだ。予約と同時に決済する仕組みなので、サロンとしても、当日の空き枠を有効活用できるのがメリット。
プロダクトドリブンな創業者がドブ板営業
クービックは、グーグルで「急上昇ワード」などを手がけた倉岡寛氏が2013年10月に創業。ヨガや英会話教室などのスモールビジネス向けに、専門知識がなくても予約システム付きホームページが作れる「Coubic(クービック)」を提供している。現在の導入数は「数千件」(倉岡氏)。その大半は、ウェブ経由の申し込みだ。
一方、ポップコーンでは、数千万ユーザーを相手にしていたグーグル時代では考えられなかった「ドブ板営業」が中心。同社のスタッフがサロンを1軒1軒訪問し、口説いて掲載してもらっている。
「グーグル時代はクエリ数を上げることばかりを考えていた」と振り返る倉岡氏いわく、創業メンバーは「プロダクトドリブン」な人ばかり。Coubicを使うサロンオーナーは、管理画面上で空き枠を登録すれば、ポップコーン経由でネット予約を受け付けられる、という機能面での連携はあるものの、プロダクトドリブンなメンバーが、リクルート的営業スタイルで成立しそうなサービスに目を付けたのは、少し意外だ。
Coubic導入店舗の集客を支援
倉岡氏によれば、Coubicを導入するサロンオーナーの一番の課題は集客。そんななかで、当日の空き枠を埋めるツールを提供すれば、ニーズがあると思ったという。とはいえ、「Coubicを導入するサロンすべてをポップコーンに掲載するのでは、ユーザーに刺さらない。サロンを厳選して、尖らせるメディアにする必要がある」と続ける。
その言葉通り、自身もアポ無しで店舗を訪問。「経験したことないドブ板営業までやってみた」が、餅は餅屋。慣れない営業で心が折れ、サロンに詳しい女性スタッフを営業要員として採用した。現在は数十件まで掲載サロンを拡大し、都内の人気サロンを開拓しているそうだ。