会計の専門知識がなくても経理をまとめて効率化できる「クラウド会計ソフト freee」を提供するfreeeが7月2日、財務データを活用する「予算・実績管理機能」を新たにリリースした。
同社はこれまで会計freeeを提供することで経理業務の効率化や新しい時間の創出を実現してきたが、「さらなるお客様への貢献」を目指し、サービスの最重要価値を「時間創出から利益創出へシフトする」と宣言。そのために必要となるツールがこの予算・実績管理機能だという。
新ツールは「スモールビジネスを世界の主役に」という同社の新たなミッションのもと、開発された。代表取締役の佐々木大輔氏が同日、2012年の創業以降初となる事業戦略発表でそのように語った。
同氏によると「世の中の99パーセントの企業は中小企業」だが「労働生産性は大企業の半分くらい」しかなく、テクノロジーの浸透度、クラウドサービスの利用率、ウェブサイトの保有率も大企業にくらべると「圧倒的にまだまだ」だという。
新ツールの提供を皮切りに「あらゆるスモールビジネスが経営企画をできる」ようにし、大企業と比べても「スモールビジネスのほうが強くてスマートでかっこいい」と思われる時代をつくりたい、と同氏は意気込んだ。
同ツールは法人向けの新料金プランである「プロフェッショナルプラン」にて利用することが可能だ。20〜100名からなる法人が対象となっている。
予算入力機能を使うと勘定科目ごとに予算を作成することができる。前年対比や構成比を確認しながらの作成、また、月別に作成することも可能だ。
実績比較機能はfreeeに反映された実績を財務諸表とグラフにリアルタイムに反映し、それぞれ予算との比較が行える。グラフは利益、売上高、販管費、月次など様々な切り口での表示が可能だ。また、月次の予算達成度を自動分析し年間の着地予測を確認することもできる。
同社は同日、新ツールに加えて収益性管理が行える「エクセルアドイン」機能を2018年9月にリリースするとも発表した。会計freee上にあるデータをエクセルの任意セルに自動連携することが可能になる予定だという。
国税庁による平成28年度分の会社標本調査によると国内企業のうち赤字企業の割合は6割を超えており、法人の多くは中小企業だ。このような状況だからこそ「計画と実績を比較しつつ経営改善に向けて迅速かつ最適な意思決定ができる環境を中小企業にも提供することが重要だ」と同社は考えている。