Mike Folgner(マイク・フォルグナー)氏は動画編集ツールの分野で十分な実績を持っている。創立したJumpcut.comはYahoo(未訳記事)が、 SnappyTVはTwitter(未訳記事)が買収した。しかしフォルグナー氏は「動画編集の分野にはまだまだ仕事が残っている」とMediumに書いている。
「現在、生産性ソフトウェアは、デスクトップアプリからウェブアプリによるストリーミングへ大きく飛躍しました。ところが、こうしたテクノロジーの大幅な進歩にもかかわらず、プロ用の動画編集ツールはこの飛躍に遅れを取っています。WebGL、WASMおよびその他、進歩は続いています。ウェブの本質的に適合したパフォーマンスが高く、機能豊富なアプリケーションを構築できるはずです」。
フォルグナー氏はJumpcutとSnappyTVの共同ファウンダーであるRyan Cunningham(ライアン・カニンガム)氏、JumpcutのリードエンジニアであるAshot Petrosian(アショト・ペトロシアン)氏と協力してTensilという新しいスタートアップを創立した。Tensilの最初のプロダクトである「Scenery」はブラウザで動作するフル機能の動画編集ソフトだ。サイトに登録すればアルファ版をテストできる。同社最初の主要エンジニアは Chris Martin(クリス・マーティン)氏だ。
TensilはFreestyleVCがリードしたラウンドで389万ドル(約4億円)の資金を調達した。このラウンドにはPrecursor Ventures、Wireframe Ventures、Transmedia Capital、Uphonest Capital、Rembrandt Venture Partners、Kayvon Beykpour、Kevin Weil、Elizabeth Weil、Russ Fradin、Ross Walker、Joe Bernstein、Keith Coleman、David Pidwell、Ryan Peirce Don Ryanが参加している。
まだ開発途上であるため実際にプロダクトをテストできなかったがフォルグナー氏、Petrosianに電話取材してビジョンを聞くことができた。ペトロシアン氏はこう語っている。
少し立ち止まって現代のビデオエディターがどうあるべきか考えるなら、1970年に構築されたままのツールでいいわけはないと気づくでしょう。Sceneryは、既存ビデオエディターが標準的に採用するのはビデオクリップを時間軸に沿って並べるタイムラインビューです。しかし我々のSceneryは2次元のキャンバスモデルです。つまりビデオエディターがグラフィックデザイナーのように考えることを可能にします。
ペトロシアン氏は「いい換えれば、Sceneryは現在のビデオ制作と編集のニーズをもっと適切に反映してチームが迅速かつ協調的に動画を制作できるようにすることを目的としています」という。実際、彼は、Sceneryを単なる編集ツールだと考えることは十分な認識でないと述べた。「動画制作システムに近い」ものと考えるべきだという。
「ビジュアルコレボレーションツールのFigmaがデザイン分野で新しいメンバーをリモートで簡単にチームに加えることができるようにしたのと同様、Sceneryもプロセスをブラウザに移行させることにより新しい協力者を簡単に編集プロセスに参加させることが可能になります」とフォルグナー氏は述べた。
「結局、動画編集はチームスポーツとして考えるべきなのです。我々はSceneryの未来に興奮しています」とフォルグナー氏は結んだ。
カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Scenery、動画編集
画像クレジット:boonchai wedmakawand / Getty Images
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(翻訳:滑川海彦@Facebook)