Google(グーグル)とBox、Citrix、Dell、Imprivata、Intel、Okta、RingCentral、Slack、VMware、Zoomなど業界の大物たちのグループが米国時間12月10日、Modern Computing Allianceという団体の立ち上げを発表した。
この新しい同盟のミッションは、「エンタープライズ顧客の利益のために『シリコンからクラウドへ』のイノベーションを推進し、差別化された最新のコンピューティングプラットフォームを強化し、統合されたビジネスソリューションのための追加の選択肢を提供する」ことだ。
誰がこのミッション・ステートメントを書いたとしても、実際に何も言わずにどれだけの言葉を使えるかを見ようとしているのは明らかだ。
この同盟の真の狙いはこうだ。そのホームページにChromeという言葉はまったく登場しないし、グーグルのパートナーたちも言及していないが、本音はエンタープライズでのChromeとChrome OSの採用を推進することだ。グーグルの広報担当者は「この同盟の目的は、Google Chromeのエコシステムにおけるイノベーションと相互運用性を推進してエンタープライズ顧客の選択肢を増やし、今日企業が直面している最大の技術的課題のいくつかに対処する手助けをすること」だという。
なぜ「Chrome Enterprise Alliance」という名前にならないのかよくわからないが、でもModern Computing Allianceには別の狙いもあるのだろう。Microsoft(マイクロソフト)がいないことが、それを説明している。また、これが固定メンバーではなく今後増えていくことも、ほぼ確実だろう。
同盟はグーグルをリーダーとし、今日的なウェブアプリケーションをエンタープライズの領域に持ち込むことを狙っている。そしてそのために、パフォーマンスとセキュリティとアイデンティティとマネジメントと生産性に力を入れていく。そしてもちろんそのすべては、ChromeとChrome OSの上で良好に動き、相互運用性がある。
グーグルのChrome OS担当副社長であるJohn Solomon(ジョン・ソロモン)氏は「テクノロジー産業はオープンで多様性に富むエコシステムに向かって進化しており、それは選択の自由と、複数のスタックにまたがる統合を可能にするものだ。この現実は、課題と機会の両方を提示している」と述べている。
エンタープライズがクラウドへの移行が進むと、以前よりも良質なウェブアプリケーションや、ときには先進的なウェブアプリケーションが、ネイティブなソリューションと同じように良好に動くことが当然のように大きな目標になり、そのためにこのような複数企業の協力関係も見られるようになる。しかもパンデミックに見舞われている現在では、それが緊急の課題にもなっている。この同盟の計画では2021年の前半に何らかのプロダクトをリリースすることになっているが、まだその具体的なかたちはない。おそらくそれは、どんなブラウザーでも良好に動くものになるのだろう。こうしたいわゆる「同盟」は途中で立ち消えになってしまうものも多いため、今後にしっかりと注目したい。
おまけ。テクノロジー業界も、昔からこのような同盟に事欠かない。たとえばこの1991年の楽しい記事には、IntelとIBMとMIPSなどからなる(The New York Times記事)CPU同盟が紹介されている。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)