グーグルがアップルのプライバシーラベル表示義務に従いiOS用アプリの更新を再開

Google(グーグル)はこの週末に、多くの主要なiOS向けアプリを更新し始めた。同社はApple(アップル)が新たに義務づけたプライバシーラベルの表示を加えなかったため、長い間これらのアプリは更新されずにいた。2021年初め、Googleはこのラベルを「間もなく」同社のアプリを更新する際に追加すると言っていたが、今のところ、Google検索、Googleフォト、Googleアシスタント、Googleマップ、Google Pay(グーグルペイ)、Chrome(クローム)など多くのアプリはまだ更新されていないままだ。

関連記事:早ければ今週にもGoogleのiOSアプリにApp Storeのプライバシーラベルが追加される見込み

Appleのポリシーに従い、開発者はプライバシーラベルを適用するまで、アプリをそれ以上アップデートすることはできない。そのためGoogleは多くの主要アプリを長い間、更新できなかった。特にバグ修正やパフォーマンスの改善を含むマイナーアップデートを定期的に配信しているGoogleのような規模の企業であれば、通常はそのようなことはない。

例えばGmail(ジーメール)は、この週末にアップデートが行われる以前は3カ月間も更新されていなかった。

iOS App StoreにあるGoogleのアプリ情報を見ると、Googleスライド、Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、Googleカレンダーは週末にアップデートが配信されている。また、この数週間で、Googleの他のアプリも、新たにラベルを追加して更新が再開された。例えば、YouTube(ユーチューブ)、YouTube TV、YouTube Music(ユーチューブミュージック)、Google ToDo(Google Tasks)、Google ポッドキャストなどだ。

我々はこのスプレッドシートで、Googleアプリの更新を追ってきた(Appfiguresはその独自のデータと照らし合わせて、我々のシートの正確さを確認している)。

2021年にプライバシーラベルの表示が適用されたGoogleのアプリは、週末にアップデートされた一連のアプリだけではない。アプリの中には、アップデートされずにラベルのみが加えられたものもあるため、見つけることが難しい場合もある。

Googleの全iOS向けアプリで、現在プライバシーラベルの表示が適用されているアプリには以下のものが含まれる。

Google One(グーグルワン)、Googleポッドキャスト、Google Stadia(グーグルステイディア)、Google Fit(グーグルフィット)、Google Fi(グーグルファイ)、Google ToDo、Google Chat(グーグルチャット)、Onduo(オンデュオ)、Project Baseline(プロジェクトベースライン)、YouTube、YouTube TV、YouTube Music、YouTube Kids(ユーチューブキッズ)、YouTube Studio(ユーチューブスタジオ)、Google Meet(グーグルミート)、Google Smart Lock(グーグルスマートロック)、Motion Stills(モーションスチル)、Google Fiberr(グーグルファイバー)、Google広告、Wear OS(ウェアオーエス)、Googleカレンダー、Google Classroom(グーグルクラスルーム)、Googleスライド、Googleスプレッドシート、Googleドキュメント、Googleドライブ、Google Play ムービー、Google Home(グーグルホーム)、Fiber TV(ファイバーTV)、Google翻訳、Google Authenticator(Google 認証システム)

Googleは、プライバシーラベルを適用するために、なぜそれほど時間がかかっているのか、理由を述べていない。当初は、毎年恒例のホリデー・コード・フリーズ、つまり多くの人々が休暇を取るため、アプリの更新を一時的に停止しているから、プライバシーラベルの適用が遅れているとしていた。

しかし、アプリの更新が止まっているのが、数週間から数カ月になるにつれて、Googleが他の大手テック企業よりもはるかに慎重で、プライバシーラベルを適用するために方法論的なアプローチを取っていることが明らかになった。その結果、同社のアプリのアップデートへの注目と監視が高まった。

実際、Googleのアプリがプライバシーラベル表示を加えて更新される度、大々的に報じられることになっている

例えば、Engadgetは米国時間3月1日、週末にGmailなどのアプリが更新されたことを報じている。

2021年1月中旬、Googleは公式にその遅延に対する注目に応え、同社のiOS用アプリは次回の更新を受ける際にプライバシーラベルの表示が適用されると、ブログ記事で説明した。しかし「更新」と「プライバシーラベルの適用」は必ずしも同時に行われているわけではない。報道によると、Gmailはすでに2月22日にプライバシーラベルが追加されていたが、今まで更新はされていなかった。

そしてプライバシーラベルの表示が加えられたアプリは、更新されたアプリよりもずっと多い。

Googleはコメントを求められても現時点で回答していない。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleAppleアプリiOS

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。