グーグルがARM EPYCベースのTau仮想マシンをクラウド向けに発表

米国時間6月17日朝、GoogleはARMの第3世代EPYCプロセッサーをベースとする新たな仮想マシン系ファミリー「Tau」のローンチを発表した。同社によると、この新しいx86互換のシステムは、標準のVMに比べて42%高い価格性能比を提供する。とりわけGoogleは、AMD EPYCプロセッサーの利用を2017年にGoogle Cloudで始めているが、Amazonのクラウドでの利用は2018年からになる。

Googleの言い方では、Tauファミリーは既存のクラウドVMの複数世代をすべて「一気に跳び越えて」いる。構成は多様だが、最大は1VMあたり60vCPUで、メモリーは1vCPUあたり4GBだ。ネットワーキングの帯域は最大で32Gbps、そしてさまざまなネットワーク上にあるストレージを接続できる。

Google CloudのCEOであるThomas Kurian(トーマス・クリアン)氏は、プレスリリースで「あらゆる業界のお客様が、より要求の厳しいデータインテンシブなワークロードに対応し、パフォーマンスの向上とコスト削減のための戦略的な方法を模索しています。AMDのような重要な戦略的パートナーとの協力により、我々はサービスの幅を広げ、業界で最もクリーンなクラウド上で、計算量の多いビジネスクリティカルなアプリケーションに対して最高の価格でお客様に提供することができました」と述べている。

画像クレジット:Google

GoogleはすでにTwitter、Snap、DoITなど一部な高名な顧客と初期的トライアルの契約を結んでいる。TwitterのプラットフォームリードであるNick Tornow(ニック・トルノフ)氏は、ブログで次のように述べている。「2桁のパフォーマンス向上の可能性を示す初期テストに興奮しています。私たちは、Google Cloudと協力して、新しいTau VMファミリーを使用することで実現できる特定のコンピュートワークロードの価格と性能に関するメリットをより深く評価しています」。

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2021年第3四半期にTauのVMがGoogle Cloudに登場する。同社は事前登録しているクライアントにはすでにシステムをオープンしている。料金は構成次第だ。例えば32vCPUのVMで128GBのRAMなら1時間約1.35ドル(約149円)になる。

カテゴリー:ハードウェア
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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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