SplashLearnはゲームをベースにしたカリキュラムで子供たちにレッスンを教える、米国に本社を置く10年の歴史を持つEdTechのスタートアップだ。同社はより多くの市場への進出を目指し、新たな資金調達ラウンドで1800万ドル(約18億8000万円)を獲得した。
今回のSplashLearnのシリーズCラウンドはサンフランシスコを拠点とする教育専門のファンドOwl Venturesがリードし、以前に同社のシリーズBに700万ドル(約7億3000万円)を投資していたAccelも新ラウンドに参加した。
TechCrunchの取材に対し、SplashLearnの共同創業者兼CEOであるArpit Jain(アルピット・ジェイン)氏は、今日の教育システムが直面している最大のハードルの1つは、子供たちが学びたいと思わないことであり、それゆえに、彼らが魅力的だと思う方法で話題を提供する必要があると語った。
同氏が立ち上げたこのスタートアップは、未就園児から小学5年生までの生徒向けに数学と読解のコースを提供している。教師やその他の専門家の指導を元に、4000以上のゲームやその他のインタラクティブな活動を開発し、子供たちにさまざまな概念を説明しているという。
デモとしてジェイン氏は、ハードルの高いアドベンチャーゲームを披露した。子供がゲームを進めるためには、足し算の概念を視覚的に適用する必要がある。「子供たちが夢中になると、学習の成果が向上します」とジェイン氏はいう。
SplashLearnのプラットフォームでは、さらに、毎日15分から20分のパーソナライズされた学習体験を各生徒に提供していると同氏は語った。
同社は、そのサービスのために保護者に月12ドル(約1250円)を請求している。また、学校では無料で利用することができる。現在、米国では3校に1校がSplashLearnを利用しているとジェイン氏は述べた。
「当社の目標の1つは、質の高い教育を無料で生徒達に提供することでした。我々のビジネスモデルは、それに取り組むことを可能にしてくれました」と同氏はいう。SplashLearnは自ら学校にアクセスし、売り込むことはしないとも。教師たちがプラットフォームを使用して、同社が提供しているものを気に入った場合は、より広く採用するために彼らが学校に働きかける、とジェイン氏はいう。同氏は他の3人の共同創業者と同様に、インド工科大学カラグプール校の卒業生である。
チームが最初に開発したのは、過去10年間でCourseraが進化して到達したのと同じようなEdTechプラットフォームだった。しかし彼らの以前のベンチャー企業は、当時インターネットユーザーが5000万人に満たなかったインド市場では受け入れる準備ができていなかったために、市場けん引力を得ることができませんでした、とジェイン氏は語った。
SplashLearnは今日、そのプラットフォーム上で4000万人以上の登録生徒にサービスを提供しているが、そのうちの1000万人は2020年、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で世界中の学校が閉鎖されたために新たに参加したという。また、75万人以上の教師も同プラットフォームに加入した。
同社は現在、主に米国の生徒たちにサービスを提供しており、その市場が収益の80%を占めている。しかし現在では英国、オーストラリア、カナダ、インドを含む150以上の市場の生徒達もプラットフォームを利用している。
Owl VenturesのマネージングディレクターであるAmit A. Patel(アミット・パテル)氏は声明でこう述べている。「SplashLearnは、科学的に設計されたカリキュラムと、世界に通用する教育学的手法を独自にブレンドしたもので、デジタル学習の世界に明確な変化をもたらす態勢にあります。SplashLearnは、EdTech分野における革新的な企業を支援するという当社の目的に合致しており、教育の提供方法のパラダイムシフトを促進し、規模を拡大しています」。パテル氏は、AccelのパートナーであるAbhinav Chaturvedi(アビナブ・チャトゥルヴェディ)とともにSplashLearnの取締役会に加わる。
カテゴリー:EdTech
タグ:SplashLearn、資金調達、eラーニング
画像クレジット:SplashLearn
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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)