コロナ禍でのオンラインシフト加速を受けてID認証のSocureが109億円調達

新型コロナウイルスパンデミックは、これまで誰も想像できなかった方法でデジタルの浸透を加速させてきた。そして人々がオンラインやモバイルデバイス経由でサービスを利用するにつれ、事業者はユーザーやセキュリティの確認に一層取り組まなければならなかった。そうした需要に応えようとしている企業がある。IDを認証するのにAIと機械学習を使っているSocure(ソキュア)は米国時間3月16日、13億ドル(約1417億9800万円)の評価額で1億ドル(約109億800万円)をシリーズDラウンドで調達したと発表した。

One World Identityによると、2019年に150億ドル(約1兆6360億円)弱だった米国のデジタルIDマーケットは2023年までに300億ドル(約3兆2720億円)超へと成長する見通しだが、我々の暮らしがいかにオンラインにシフトしたかを考えると、これは驚きではない。そしてこの成長はID認証企業が提供するサービスに対する急増する需要につながっている。

Socureはこれまで金融サービス業界を専門としてきた。しかし同社は調達した資金をオンラインゲーミング、ヘルスケア、通信、eコマース、オンデマンドサービスなどを含む「消費者向けのあらゆる業界」へと拡大するのに使う計画だ。

同社の予測分析プラットフォームは、ユーザーがさざままなアカウトに申し込むとき、実際に名乗っている人物なのかどうかを確認するのに、人工知能と機械学習のテクニックをオンライン / オフラインデータインテリジェンス(電子メールから、電話、住所、IP、デバイス、ベロシティとより広範なインターネット)に適用する。

同社は現在、銀行トップ5行のうち3行、カード会社トップ10社のうち6社「トップの」信用調査会社、Varo MoneyやPublic、Chime、Stashといったフィンテック75社超を含む350社超を顧客に抱える。

最新のラウンドはAccelがリードし、既存投資家のCommerce Ventures、Scale Venture Partners、Flint Capital、Citi Ventures、Wells Fargo Strategic Capital、Synchrony、Sorenson、Two Sigma Venturesなどが参加した。

今回の資金調達は、Sorenson Venturesがリードするラウンドで3500万ドル(約38億1825億円)を調達してから6カ月も経っていない。Socureの2012年の初回からの累計調達額は1億9600万ドル(約213億8200万円)となった。

Socureの創業者でCEOのJohnny Ayers(ジョニー・アイヤーズ)氏は、B2C企業がKYC(顧客確認)自動承認率97%を達成するのを同社のID管理プロダクトがサポートできると話す。これは、例えば金融機関がSocureのたった1つのAPIを通じてより簡単に詐欺を見つけ出せることを意味する。同社はまた、少ない情報(さほどクレジット履歴がないもの)や若い消費者を簡単に認証することで、金融サービスを十分に受けられていない人口を減らすのに役立つとも主張する。

同社は今後も特許を開発しつつ、提供するプロダクトを強化するのにも調達資金を使う計画だ。

資金調達ラウンドの一環として、AccelのパートナーであるAmit Jhawar(アミット・ジャウォル)氏がSocureの取締役会に加わる。

ブログ投稿でジャウォル氏は「機械学習モデルがすでに見たあらゆるIDから学んだため、新しいオンラインユーザーを扱うためにデザインされた特別目的のためのソリューション」とSocureを形容した。

Braintreeの元COO、そしてVenmoの元ゼネラルマネジャーとして、ジャウォル氏はID認証の重要性、特に金融サービス分野での重要性について多少は知っている。

「Socureのソリューションはゲームチェンジャーになることをすぐに悟りました。というのも、決済のためのアカウントの作成からログインまで、顧客のライフサイクルのあらゆる局面で使われるからです」と。同氏はブログで述べている。

Socureはまた、将来のIPOもほのめかした。

声明でアイヤーズ氏は次のように述べた。「イノベートする機会、そして問題解決に向け世界で最もすばらしい企業との提携に信じられないほど感謝しています。特にIPOに向けて歩みを進めるこの時、前途に広がる機会に力をもらっています」。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Socure資金調達個人認証

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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