コロナ需要に沸くEdTech、言語学習アプリDuolingoが約36億円調達

TechCrunchは先週、これまでに5億回ダウンロードされた人気の言語学習アプリDuolingo(デュオリンゴ)が少なくとも22億1000万ドル(約2300億円)のバリュエーションで3500万ドル(約36億円)を調達中だと報じた。新型コロナウイルス感染症により人々が家で過ごす時間が長くなり、そしてスクリーンを介してやり取りするようになった結果、eラーニングや他の教育スタートアップが人気を集めている。巨額調達も相次いでいるが、今回の資金調達はそうした流れの中で最新の動きだ。

Duolingoの数字が公式に明らかになった。同社はT. Rowe PriceのスターだったHenry Ellenbogen(ヘンリーエレンボーゲン)氏によって2019年に設立されたDurable CapitalとGeneral Atlanticから3500万ドルを調達したことを認めた。これによりDuolingoのバリュエーションは24億ドル(約2500億円)になる。

この数字は、2020年初めにGeneral Atlanticが密かにDuolingoに1000万ドル(約10億円)を出資した際のバリュエーション16億5000万ドル(約1713億円)からすると、かなりの飛躍だ。

この理由の1つは一般マーケットだ。

EdTechは、対面授業ができないときに教える良い方法を模索する教育機関、リモートで働く従業員をトレーニングする方法を探している事業所、Netflix(ネットフリックス)を視聴したりFacebook(フェイスブック)でDonald Trump(ドナルド・トランプ)氏について議論したりするだけでなくより生産的なことをしようとしている消費者、生徒が遠く離れたところにいる場合に理解するのが難しいコンセプトをどのように教えるかインスピレーションを得ようとしている教育者などからかなり注目され、活用されてきた。

Duolingoはその恩恵を受けてきた。追加のゲーム機能をアプリ内購入でき、そして広告をともなうフリーミアムのアプリであるDuolingoは、学習者(利用者)のベースが昨年30%成長し、ブッキングは100%増える見通しだ。

投資家が自信を深めたのは、そうしたトレンドがパンデミック前からDuolingoに見られていたことだった。過去3年間、100%の売上高成長を達成している。Sensor Towerによると、Duolingoの売上高は2019年から教育アプリとしては最も大きい。

ピッツバーグに拠点を置くDuolingoにとって米国が最大のマーケットで、ユーザーベースの20%を占める。しかしさまざまなマーケットで利用者を増やしている(筆者の夫はここロンドンでイタリア語を学んでいる)。アジアはいまユーザーベースの15%を占めている。アジアマーケットのもう1つの注目すべき点は、高等教育の入学手続きの一環としてDuolingoの英語テストを受ける人の数が15倍の成長をみせていることだ。

今後気になるのは、Duolingoがどのように次のステップに踏み出すかだ。同社は、reCAPTCHAの創業者Luis von Ahn(ルイス・フォン・アン)氏によって創業され、現在も同氏が率いている。同社の初期の事業モデルは、有料企業が出すテキストを語学学習者とアプリユーザーが翻訳するというアイデアに基づいていた。最近では広告とアプリ内のプレミアム機能で売上を出している。

同社はまた、大人以外の学習にも範囲を広げ、2020年初めに読み書きを学ぶ子どものためのアプリを立ち上げた。

それは収入源の多角化につながり、同社が上場するときには役に立つかもしれない。

「事業を目覚しく成長させながら当社が成し遂げてきた影響を誇りに思っています」とCEOのフォン・アン氏は声明文で述べた。

「Duolingoは、ミッションドリブン、素晴らしいカルチャー、時間が経つにつれかなり溶け込むことができる素晴らしい人々など、投資で望むことに応えるビジネスです」とDurable Capital Partners LPの投資責任者であるHenry Ellenbogen(ヘンリー・エレンボーゲン)氏は声明文で述べた。「ルイスは素晴らしい起業家であり、Duolingoの次なる成長のために提携できることをうれしく思います」。

「2020年4月に初めて投資しましたが、ルイスそしてDuolingoと提携を深めることに興奮しています」とGeneral AtlanticのマネージングディレクターTanzeen Syed(タンジーン・サイド)氏は述べた。「Duolingoは基礎となる学習テクノロジー、効果的で魅力的なプロダクト、そしてユーザーの情熱的なコミュニティを首尾よく構築しました。Duolingoはグローバルでのデジタル学習の加速に資金を注入しつつ、マーケットを牽引する地位を揺るぎないものにし、プロダクトやチーム、顧客ベースを拡充するさらなる機会を手にしています」。

EdTechスタートアップによる他の資金調達としては、Udacity(ユダシティ)が2020年11月初めに7500万ドル(約78億円)のデットラウンドを発表し、ようやく黒字化を達成したと述べた。10月にはKahoot(カフート)がソフトバンクから2億1500万ドル(約223億円)を調達したことを発表した。そして9月にはOutschool(アウトスクール)が5000万ドル(約52億円)を、Unacademyは1億5000万ドル(156億約円)を調達した。そしてEdTech大手Byju’s(ビジュース)はSilver Lakeから5億ドル(約519億円)を調達した。

これまで以上に大きなマーケットがオンライン教育を使いこなすようになり、小型の資金調達、新しいEdTechスタートアップの立ち上げ、そのほかにもこの業界の勢いを示す動きがみられる。

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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