正直に答えて。一日中、コーヒーショップで仕事をしたことある? もちろんコーヒー一杯だけで。
ぼくは確実にその常習犯だけど、お店が対策としてコンセントを取り去ったり、Wi-Fiを切ったり、ラップトップ禁止席を設けたりしていることもある。しかしここでご紹介するGoGoGuestは、もっと良いタダ乗り客対策をお店に提供し、またちゃんとお金を払ったお客はちゃんと優遇する。
GoGoGuestはコーヒーショップに特別なプリンターを使っていただく。お客が金を払うとレシートをプリントするのだが、それにユニークな(一回かぎりの)コードが印刷されている。そのコードの意味付けはお店の工夫次第だが、一般的にはお客は、そのコードで一定時間Wi-Fiを利用できる。あるいはそのコードの保有者に、特別の高速ネットワークの利用を提供してもよい。一時間とか二時間とかの設定時間が経過すると、コーヒーをもう一杯買わなければネットへの接続を継続できない。
GoGoGuestの最初のユーザーは、サンフランシスコのChai Barだ。チャイをオーダーするとコードをもらえるので、店内で高速インターネットをすぐに利用開始できる。ちゃんと二杯目以上を注文して長時間ねばる客は、約30%だそうだ。残る70%は、追加オーダーをお願いすると店を去る。
協同ファウンダーのChristopher O’Connorによると、こんな工夫(個別コードによるユーザー管理)は既存のWi-Fi技術で十分可能だけど、やり方がやや面倒なので忙しいお店では採用できない。ぼくの経験でも、単一のパスワードでWi-Fiを利用できるお店が多くて、個人別のコード(Wi-Fiのセキュリティコード)を割り当てているところはとても少ない。そこで、GoGoGuestは、個人別コードの発行を容易化するのだ。システムの管理はダッシュボード上でできる。
さらにGoGoGuestは、顧客のアクティビティに関する詳細な分析データをお店に提供する。それにより、いろんな売り出し企画の効果を判定したり、また“優秀客”には特別待遇を提供したりできる。コーヒー一杯で一日中YouTubeを見ているお客と、毎日律儀に追加コーヒーをオーダーするお客が、同じ待遇なのはまずいかもしれない。
GoGoGuestにはお客が使うiPhoneアプリがあり、近くの良質なコーヒーショップの所在を表示してくれる。同社のシステムを採用した店が増えれば、その地域の推奨店の数も増える。アプリは、お店が今やっている売り出し企画も紹介できる。顧客分析データにより、広告等のターゲティングも可能だ。
O’ConnorによるとGoGoGuestは、モバイルやソーシャルの仕事をしている人たちが、確実に良質なインターネット接続を見つけるための方法だ。また、彼の協同ファウンダーJessica Valenzuelaによると、チェーンではない単独店のコーヒーショップにとって、GoGoGuestは格好の宣伝媒体だ。アプリで店を見つけてもらえるから、“大型チェーン店に十分対抗できる”、と彼女は言う。