10年以上前にIntuit(インテュイット)がMint(ミント)を買収した時、モバイルは今とは違う場所にあった。フィンテックも同様だ。一方、個人用会計アプリ分野にも大きな進歩は見られていない。Mintは統合問題と厄介なデータ分別間違いでつまづいた。多くの人にとって、ベストな代替手段はスプレッドシートを立ち上げることだった。
Copilot(コパイロット)は元Google社員が作った新しい個人向け会計アプリで、そのスリムなデザインと使いやすさで人気を呼びそうだ。サブスクリプション方式のiOSアプリで、ユーザーは個人の財務データを入力し、取引のカテゴリーを追加したり、予算を立てたりすることができる。過去数ヶ月は招待のみだったが、米国時間1月19日に一般公開された。
創業者のAndrés Ugarte(アンドレス・ウガルテ)氏はTechCrunchの取材に答えて、Googleに8年間務めた(最近では実験プロダクト部門Area 120)後、Mintの買収以降パーソナル会計分野の進歩が遅いのを見て、この取組みを始めたと語った。
「過去8年間パーソナル財務アプリを使おうとしてきたが、結局諦めた」とウガルテ氏は言う。「なんとか独自のカテゴリーを追加したりデータを修正ししたりて、すべての項目が正しく分類されるようにして使えるアプリにしたかった。しかし、アプリは同じ誤りを繰り返すだけで賢いとは感じられず、いつもがっかりしていた」。
私はCopilotをこの数時間いじってみて、これまでのところ気に入っている。デザインは他社と比べて親しみやすく、何よりの強みは、思い通りに自動分類されなかった項目のカテゴリーを簡単に変更できることだ。複数のアカウント間のやり取りを記録したり、1回限りの特別な買い物を予算から除外することもできる。こうした機能を提供しているアプリはほかにもあるが、Copilotは、特定の取引先の項目すべてをあるカテゴリーに分類するか、予算から完全に除外するかを選んでマークすることができるので、アプリはユーザーの行動を学習できる。
ある意味で、Copilotのキラー機能は、Plaidがいかによく出来ているかを示すものでもある。Copilotは、このVisaが買収した財務サービスAPIのスタートアップに強く依存しており、私にはなぜこのスタートアップが成功しているのかがよくわかる。他のサービスとのわかりやすい連携は、Copilotのスムーズな導入プロセスとあいまって、アプリのよく考えられたデザインをすぐにユーザーが感じられる。
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Copilotには限界もある。主な理由は現在チームにふたりしかいないことで、デスクトップとAndroid版を期待している人は少し待つことになる。月額2.99ドルのサブスクリプション料金にためらうを感じる人もいるかもしれないが、自分の財務情報を全部アクセスできる無料アプリを避けるべき理由はいくつもある。Copilotはユーザーの財務情報を売ったり第三者に渡すことはない。
ウガルテ氏は持っていたGoogle株を売ることで、ほぼ自己資金でここまでやってきたが、つい最近25万ドル(約2750万円)のエンジェルラウンドを済ませ、さらに追加の資金調達を考えている。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )