今や、サーバーレスアプリケーションが大いにもてはやされている。コンテナのことをどこかへ置き忘れて、AWSのLambdaやAzureのFunctionsのようなサービスに夢中になってる企業もある。そこで当然ながら、これらのサービスのまわりに自然発生的に新たなエコシステムが育っていく。今日(米国時間8/14)ベータを脱(ぬ)けたIOpipeは、AWSのLambdaサービスのアプリケーションの、オペレーションを助けるプラットホームだ(現状はもっぱらモニタリングを提供)。
シアトル生まれの同社は今日、250万ドルのシードラウンドを発表した。主な投資家はMadrona Venture Group, NEA, そしてUnderscore VC、全員、インフラストラクチャの分野で経験豊富な連中だ。
IOpipeの協同ファウンダーAdam Johnson(CEO)とErica Windisch(CTO)も、この分野のベテランで、以前はDockerやMidokuraにいた*。AdamはMidokuraの最初の社員、EricaはDockerのセキュリティチームを作った。両者は最近、Techstarsのニューヨークの育成事業を卒業した。〔*: 関連記事〕
IOpipeの基本コンセプトはきわめて単純明快、Lamdaで動くアプリケーションのインサイトをデベロッパーやオペレーションのチームに提供することだ〔今はオペレーション主体〕。そのほかのサーバーレスプラットホームにも、今後対応していく。ユーザーは、得られたインサイトに基づいて、バグをつぶしたり、メモリリークを直したりしていく。このサービスを有効にするためにデベロッパーがやることといえば、使用するサーバーレスのファンクションをIOpipeのコードでラップするだけだ。するとそれらのファンクションの一般的な性能測度がダッシュボードにリアルタイムで表示される(右図)。このサービスはサードパーティサービスの呼び出しも計測するから、AWSのS3やDynamoDBなどに関しても、いろいろ分かる。
Johnsonによると、同社の顧客はスタートアップとエンタープライズの両方を含む。これはもちろん、Lambdaの顧客の構成を反映している。“毎週、おーこの会社もLambdaを使ってるのか、という意外性の経験をする”、と彼は言う。1年前はアーリーアダプターがほとんどだったが、その後はLambdaを実験的に使う企業がどんどん増えて、そのプラットホーム上でプロダクションのワークロードを動かしている企業すらある、ということだ。
同社は今、社員が8名だが、新たな資金で緊急に増員が行われるだろう。今後の計画としては、機能をもっと増やすことと、現状のプラグインアーキテクチャを活かして、今後は今のオペレーション偏重から、デベロッパーにも直接奉仕する方向へと、機能を多様化していきたい。“これまで力を入れてきたのは、モニタリングのための最初から決まっているような機能集合を実装することで、もっぱら、アプリケーションのスケーラビリティと安定性を確認することを重視してきた”、とJohnsonは語る。しかしそのプラグインアーキテクチャにより、今後機能を増やしていくことが比較的容易にできる。