動画を活用したサービス業の技術習得支援プラットフォーム「ClipLine」を提供するClipLine。同社は3月13日、産業革新機構とアニヴェルセルHOLDINGSを引受先とする第三者割当増資により総額6.1億円を調達したことを明らかにした。
ClipLineは動画を用いることで、離れた場所からでもクラウド上でOJT(On-The-Job Training)を実施できるサービスだ。主な顧客は外食や小売、介護・医療など多店舗展開しているサービス産業。そのような企業が抱える「指示が正確に伝わらず実行されない」「店舗間のサービス品質にバラつきが生まれる」といった課題を双方向の動画(クリップ)を通じて解決する。
たとえば本部の教育担当者やマネージャーがお手本となる動画を作成し、ClipLine上で共有する。各店舗で働くスタッフはその教材を参考に自分で実践した様子を撮影。再度ClipLineに投稿することで、担当者からのフィードバックを受け取るという流れだ。
2017年5月には「映像音声クリップを利用した自律的学習システム」で特許を取得している。
ClipLineは2014年10月のリリース。これまで対面指導が当たり前だったOJTをクラウド上で実現することで、多店舗展開する企業の人材育成やコミュニケーションをサポート。2015年に1.3億円を調達した際にはTechCrunch Japanでも一度紹介したが、これまで数回の資金調達をしながら事業を拡大してきた。
今回調達した資金をもとに、同社では開発体制やセールス・マーケティング体制を強化。コア機能の拡充やサービス拡大を図るほか、動画解析やAIなど新技術の研究も進めていく方針だ。
また業界としては介護・医療領域への市場開拓を加速。合わせて研究開発組織 「ClipLine Service Management Lab」を設立し、サービス産業全体の労働生産性向上と人材不足の解消を目指すという。