シャオミのコスパモンスターなミドルレンジスマホ「Redmi Note 9S」を試す

中国・北京に本社を置くXiaomi(シャオミ)は、2019年12月9日に世界で初めて1億800万画素の5眼カメラを搭載した「Mi Note 10」「Mi Note 10 Pro」の2製品を引っさげて日本市場に参入した。今回紹介する「Redmi Note 9S」は、2020年6月2日に日本発売が発表されたミドルレンジクラスのAndroidスマートフォン。メモリー4GB+ストレージ64GBのモデルが2万4800円、6GB+ストレージのモデル128GBが2万9800円と低価格ながら、4800万画素のメインカメラを含む4眼カメラを搭載した高コスパモデルだ。

Redmi Note 9Sは、メモリー4GB+ストレージ64GBのモデルが2万4800円、6GB+128GBモデルが2万9800円

プロセッサーはミドル級、リアカメラは広角・超広角・マクロ・深度の4眼構成

Redmi Note 9Sは、プロセッサーに「Qualcom Snapdragon 720G」(8コア、最大2.3GHz)を採用。メモリーとストレージは、4GB+64GBまたは6GB+128GBを搭載している。なおmicroSDメモリーカードスロットでストレージを最大512GBに増量可能だ。

ディスプレイは6.67インチFHD+(2400×1800ドット)で、輝度は450cd/平方m、色域はNTSCカバー率84%、コントラスト比は1500:1。HDR規格はHDR10に対応。ディスプレイ面、背面ともに強化ガラス「Corning Gorilla Glass 5」で保護されている。

リア4眼カメラとフロントカメラの構成は下記のとおり。

  • 4800万画素広角(1/2型、0.8μm/1.6μm、f/1.79、視野角79度、AF)
  • 800万画素超広角(1.12μm、f/2.2、視野角119度)
  • 500万画素マクロ(1.12μm、f/2.4、AF:2~10cm)
  • 200万画素深度センサー(1.75μm、f/2.4)
  • 1600万画素セルフィー(1.0μm、f/2.48)

4800万画素広角カメラのピクセルサイズは0.8μmだが、通常の「写真」モードでは4つの画素を混合する「4-in-1スーパーピクセル」により1.6μm相当と大きくなるので、感度が上がり、ダイナミックレンジも広くなる。

通信機能は、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)、Wi-Fi 5(11ac)、Bluetooth 5.0に対応。ネットワークは、GSM:B2/3/5/8、WCDMA:B1/2/4/5/6/8/19、TDD LTE:B38/40/41、FDD LTE:B1/2/3/4/5/7/8/18/19/20/26/28をサポートする。

本体サイズは高さ165.75×幅76.68×厚さ8.8mm、重さは209g。バッテリーは5020mAhを内蔵。バッテリー駆動時間は「ユーザーが休みなく使用しても、1日中フルパワーを維持できます」と謳われている。

22.5W有線充電器、USBケーブル、ケース、SIMピン、説明書が付属する

カラーはこのオーロラブルーのほかに、インターステラーグレー、グレイシャーホワイトが用意

上面には赤外線発光部、マイク、下面にはスピーカー、マイク、USB Type-C、3.5mmヘッドフォンジャックを配置

右側面にはボリュームボタン、指紋認証センサー一体型電源ボタン、左側面にはSIMカードスロットが配されている

左上が800万画素超広角、右上が4800万画素広角、左下が500万画素マクロ、右下が200万画素深度センサー

1600万画素セルフィーカメラはパンチホールディスプレイに内蔵

カードトレイはnanoSIMカード×2、microSDメモリーカード×1という構成

Redmi Note 9S自体は防水・防塵性能を備えていないが、付属のTPU製ソフトケースはUSB Type-C端子をカバーするフタが付いている

高負荷な処理を実行しなければ実用上十分なパフォーマンス

処理性能を定番ベンチマーク3本で計測してみたが、総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」の総合スコアが277825、CPUベンチマーク「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreが1788、3Dベンチマーク「3DMark」の「Sling Shot Extreme – OpenGL ES 3.1」が2517という結果になった。AnTuTu Benchmarkの記事執筆時点のランキングを参照してみるとトップが「OPPO Find X2 Pro」で、スコアが604805だ。つまりRedmi Note 9Sは最新ハイエンドスマホの約46%のパフォーマンスということになる。

とはいえ、ブラウジング、動画視聴したり、3Dゲームをデフォルト設定でプレイしたりする限りパフォーマンス不足は感じない。3Dゲームを最高画質でプレイするなど高負荷をかけなければ、実用上十分な処理能力を備えている。

AnTuTu Benchmarkの総合スコアが277825、Geekbench 5のMulti-Core Scoreが1788、3DMarkの「Sling Shot Extreme – OpenGL ES 3.1」が2517

カメラ画質は好ましいが、48Mモードの解像感は改善を期待

カメラ性能に特に注力しているシャオミの端末だけに、Redmi Note 9Sの写真画質は基本的に良好。見たままの景色を色鮮やかに記録してくれ、今回試用したかぎりは極端に色が転ぶこともなかった。

ただし、4800万画素広角カメラの「48M」モードで撮影してみたが、正直通常モードより解像感が向上していると感じられない。むしろコントラストが低下しているため、ディテールがぼんやりしている。48Mモードの解像感については、アップデートで改善されることに期待したい。

左上から超広角、広角、2倍デジタルズーム、10倍デジタルズーム。光学望遠カメラを搭載していないので10倍デジタルズームの画質は塗り絵的だ

左が通常の「写真」モード、右が「48M」モードで撮影した写真。48Mモードで撮影した写真の多くで、コントラストが低下する傾向が見られた

夜景モードも上位の「Mi Note 10」、「Mi Note 10 Pro」と比べると見劣りするというのが率直な感想。カメラのハードウェア的なスペックは決して低くないので、ソフトウェア処理をチューニングして、より明るく、白飛びを抑えた夜景を撮影できるようにしてほしい。

「Mi Note 10」「Mi Note 10 Pro」ならもっと明るく夜景を撮影可能だ

一方、使い勝手がよかったのがマクロカメラ。オートフォーカス(AF)が搭載されているので、マクロ撮影でしっかりピントが合う。花や昆虫などの接写に重宝するはずだ。

マクロ撮影時のAFは2~10cmの範囲で合焦する

Redmi Note 9Sはコストパフォーマンスモンスター

Redmi Note 9Sで驚かされるのはやはりその価格。4GB+64GBで2万4800円、6GB+128GBが2万9800円というのは驚異的なコスパだ。最も安価な64GB版iPhone SEでも税込み4万9280円。iPhone SEにはハイエンドと同等のプロセッサー、FeliCa、防水防塵対応などの優位性が多々あるが、価格で太刀打ちできないことは間違いない。

カメラ性能でいくつか不満を述べたが、一般的なシチュエーションで支障はほぼない。コスパを最重要視するなら、Redmi Note 9Sは最右翼の存在と言える。

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TechCrunch Japan

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