シリコンバレーからでは見えない新興市場におけるビジネスの可能性

Go-Jek Indonesia Pt. motorcycle taxi riders drive along a street in Jakarta, Indonesia on Monday, March 21, 2016. The Jakarta-based startup has already become a household name in its home country. The startup's app has been downloaded more than 11 million times and it has more than 200,000 motorbikes. Its name is a play on ojek, the Indonesian word for the motorcycle taxis that crisscross Southeast Asia's most populous nation. Photographer: Dimas Ardian/Bloomberg via Getty Images

編集部記:Sebastiaan VaessenはCrunch Networkのコントリビューターで、Naspers Groupの戦略リーダーを務める。

シリコンバレーがデジタルイノベーションの地理的な中心地であるというのは頷ける。Google、Facebook、Uber、Netflixなど、世界を牽引する多くのグローバルテクノロジー企業はシリコンバレーで育った。しかし、次の大型スタートアップを見つけるには、シリコンバレーの外に目を向ける必要があるだろう。

可能性

欧米スタートアップは世界が直面する「重大な」ニーズを解決するというよりは、「金持ちヒップスターの生活のアシスト」に注力するスタートアップが多いように見える。

次の5年で、新たに25億人がスマートフォンでオンラインとつながるようになる。その80%は新興市場からだ。これは、各地域のニーズに特化したイノベーティブなソリューションを構築する地元起業家の数を確実に伸ばすことだろう。その一環で大きく成功するビジネスも出てくるだろう。将来的に大規模なデジタルイノベーションが欧米でない市場から誕生する確率が高いのだ。

証拠

このトレンドはもう始まっている。例えば、 私たちのポートフォリオのうちの1社にインドのredBusがある。redBusが登場する前は、インドの中で移動す際、各社バラバラの時刻表を見て無数のバス会社と交渉しなければならなかった。国の端から端に移動するには複数の乗り換えをやりくりしなければならず、混乱を招いていた。redBusはこの複雑な市場を統合し、インド全域におけるバスのシンプルなチケットプラットフォームを構築した。現在はマレーシアやシンガポールなど、海外市場にも展開している。

GO-JEKも良い例だ。この企業は、インドネシアの10の主要都市における20万人以上の小型バイクのライダーをつなげ、例えば食品配達の輸送に活用している。

世界中の成長市場が新たなデジタルイノベーション・ハブとして台頭する下地が出来つつある。

Naspersが投資するTruckPadは、モバイルアプリを使ってカソリンスタンドの物理的な広告板の輸送を行う小さなベンチャーとして始まった。今では、ブラジルにおいて毎月35万人以上のトラックドライバーが何百万ものトラック運搬の仕事に入札するようになった。

これらのビジネスがシリコンバレーで生まれることはなかっただろう。シリコンバレーにはない課題に取り組んでいるからだ。これらのスタートアップは、急成長を遂げる市場において何十億人が毎日直面している問題を解決している。

次はどこか?

成長市場で地域の問題を解決するチャンスは、多岐に渡る業界で豊富にあるだろう。

世界ではまだ12億人が電気へのアクセスがない。世界の3分の1以上の人口はまともなヘルスケアや教育へのアクセスがない。世界には銀行サービスを利用できない人が約25億人にいる。そしてアフリカ、アジア、ラテンアメリカ、中東といった成長市場には22億人が住んでいる。

そこには社会における深刻な課題がある反面、商業的チャンスも大きく広がっている。新興市場において25億人が新たにスタートフォンを保有するようになれば、それは地域のテクノロジー起業家と彼らのビジネスが育つ強力なプラットフォームになるだろう。JumoやM-KOPAのビジネスが一例だ。

Jumoは、サブサハラアフリカ地域のモバイルユーザーが従来の銀行システムを介さなくてもローンが組める金融マーケットプレイスだ。 一方M-KOPAはケニアの世帯に、モバイル決済の従量課金で購入可能なソーラーエネルギーのソリューションを提供している。

世界は、ソーシャル・モビリティーと経済的な繁栄において大きな課題を抱えている。必要性は新たな発明を促す。現在、世界中の成長市場が新たなデジタルイノベーション・ハブとして台頭する下地が出来つつある。次の何百億ドル企業を作る起業家はサンパウロ、バンガロール、深センといった地域から誕生する。そしてその会社の事業ははお金持ちのヒップスターを相手にするものではないだろう。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。