シンガポール政府系VCがロジとサプライチェーン向けファンドを立ち上げ

シンガポールの政府系ファンドであるTemasek(テマセク)とグローバルロジスティック企業のKuehne + NagelのジョイントベンチャーであるReefknot Investmentsは(リーフノット・インベストメント)は9月4日、ロジスティックとサプライチェーンのスタートアップ向けに、5000万ドルのファンドの設立を発表した。Reefknotはシンガポール拠点だが、投資先としてはシリーズAかBラウンドを行っている世界中の企業が対象となる。

執行取締役のMarc Dragon(マーク・ドラゴン)氏はTechCrunchに対し、対象企業にTemasekやKuehne + Nagelに加えてEDBIやSGInnovate、Atlantic Bridge、Vertex Ventures、PSA unBoXed、Unilever Foundry、NUS Enterpriseといったパートナーへの橋渡しを行うなど、Reefknotは戦略的投資家のような働きをすると語った。

サプライチェーンとロジスティック業界のベテランであるドラゴン氏は、Reefknotがスタートアップ6〜8社に投資する計画だと話した。特に、AIやディープマインドテック、そしてサプライチェーンデータの分析や貿易取引のファイナンスリスク管理のための予測などに伴う問題を解決するのに貿易ファイナンスを活用している企業に関心がある。Gartnerのデータでは、グローバルサプライチェーン企業のおおよそ半分が2023年までにAIや高度な分析、オペレーションにおけるIoTを活用することが示されている。

「ベンダーからはかなりの期待が寄せられている。というのも、分析やプラニングを行う新たなメソッド、そしてサプライチェーン中に流れる情報やプロダクト、素材、商品に関してより大きな視界がひらけてくることが予想されるからだ」とドラゴン氏は語る。

Reefknotはまた、産業専門家や政府組織と一緒になってフォーラムや研究、スタートアップが実行できる新ロジスティックとサプライチェーンビジネスモデルの開拓などを行うシンクタンクも立ち上げる予定だ。

画像クレジット:yoh4nn / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。