洋服は買うより借りる派。そんな人が増えるかもしれない。月額6800円で洋服が借り放題の女性向けオンラインサービス「airCloset(エアクローゼット)」が2月3日にスタートした。ファッションの好みや自分のサイズを登録すると、プロのスタイリストが選んだ洋服が毎回3点、専用ボックスで届く。ボックスを返却するたびに新しい洋服が届き、交換回数は無制限だ。
専用ボックスで届くのはトップスやパンツ、スカート、ワンピースなどで構成された3アイテム。単価は数千円から3万円程度。レンタル期限はなく、飽きたらクリーニング・送料ともに不要で返却するだけ。アイテムの良し悪しやサイズ感、要望をスタイリストに伝える仕組みを用意し、次回配送の満足度を高める工夫をしている。
ターゲットは「ファッションには興味があるけれど、時間やお金に限りがあって多くの洋服を試せない」という27〜35歳の女性。レンタルする洋服は指定できないものの、自分のサイズや好みを把握するスタイリストが月額6800円で服を選んでくれると考えると、さらにお得感がありそう。気に入った服は買い取ることもできる。
ちなみにスタイリストは今後、クラウドソーシング形式で十数名が参加する予定。その多くは「テレビや雑誌、広告などで活躍するフリーのプロスタイリスト」だと、airClosetを運営するノイエジーク共同創業者の前川祐介氏は語る。
提携先のアパレル企業は明かしていないが、「大手ファッションビルや百貨店を中心に良質な洋服を取り揃えている」と前川氏。アパレル企業からすれば、販売ではなくレンタルすることで収益が悪化しそうだが、「新作商品のプロモーション先がない問題を抱えるアパレル企業が多い」と、むしろアパレル企業側のメリットを指摘する。
airClosetは2014年10月にサービスを発表。今年1月末まで事前登録ユーザーを募集した結果、約2万5000人が集まったのだという。ただし、これらの登録者はすべて、会員制サイトを閲覧するだけの無料会員。月額会員を希望するユーザーは自身のサイズや好みを登録ししだい、洋服が届く。
参入が相次ぐファッションレンタル
毎月定額料金を支払うことで商品が届くサブスクリプション型ECは2012年頃に日本やアメリカで急増したが、その後ブームは沈静化。女性向けファッションのサブスクリプションサービスとしては、ミクシィが2012年9月に「Petite jete(プティジュテ)」を開始したが、約半年で終了していたりする。
その一方で、ファッションの定額レンタルサービス市場は盛り上がりを見せつつある。例えば、月額500円で洋服やバッグが借り放題の「Licie(リシェ)」は2月20日、東京・原宿の実店舗でサービスを開始(現在は事前登録受付中)。6月にはウェブやアプリ経由でレンタルを申し込めるようにする予定だ。
ネット上から申し込めるサービスとしては、月額5800円で女性向けファッションアイテムが借り放題の「SUSTINA(サスティナ)」が3月下旬にスタートする予定。このほか、DMM.comがパーティーや冠婚葬祭向けのファッションアイテムをレンタルしている。