スタートアップと投資家の情報共有のムダをなくす「FUND BOARD」、ベータ版が公開

スタートアップと投資家は、チャットでのやりとりから日々のミーティング、週次や月次のレポート、株主総会と、さまざまなかたちで情報を共有している。もちろんすべてのタイミングというわけではないが、スタートアップはその時々で投資家向けに資料を作り、共有する必要がある。しかもそれぞれ求められるフォーマットが異なることもあるし、そもそもメールで都度送るなんてこと自体が手間だ。一方の投資家にしても、投資先スタートアップ各社の資料を集め、管理するだけでもそれなりの時間がかかってしまう。ケップルが7月24日にベータ版を公開した「FUND BOARD」は、そんなスタートアップと投資家のコミュニケーションの「ムダ」をなくすためのサービスだ。

FUND BOARDはスタートアップと投資家とのコミュニケーションの効率化を進めるサービス。両者にはまずダッシュボード上での資料の共有機能が提供されるほか、スタートアップ向けには資本政策の作成や株主名簿やストックオプションの管理といった機能などを提供。投資家向けには投資先の一覧管理やミーティングメモ作成、資料提出状況の管理といった機能を提供する。また、エンジェル税制の判定機能なども盛り込んでいくという。

ベータ版のサービスは全機能無料。将来的には投資家側に月額課金の機能を盛り込むことを検討する。似た領域のサービスとしては、freeeが4月にスタートアップと投資家の間でリアルタイムに財務データを共有する機能「freee VCアドバイザーアカウント」を提供している。

サービスを提供するケップルは2015年2月の設立。代表を務める神先孝裕氏はあずさ監査法人の出身で、2013年にはKepple会計事務所を設立。スタートアップの経理業務やバックオフィスの支援、資本政策や事業計画などの策定などを手がけてきた。

その業務の中で課題となったのが、冒頭にもあるスタートアップと投資家のコミュニケーションだ。神先氏は創業時より独立系ベンチャーキャピタルのSkyland Venturesの投資先のほとんどを支援しているが、同社の投資先だけでも約40社。各社にメールで資料を請求し、受け取り、整理するというコミュニケーションに限界を感じていたという。この経験をもとにケップルを設立。FUND BOARDを開発するに至った。ケップルでは今後FUND BOARDの機能拡充を進めるほか、人材や不動産など、スタートアップの業務を支援するサービスを提供することを検討している。

 

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TechCrunch Japan

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