スタートアップの株式管理をソフトウェアで助けるシンガポールのQapitaが5.4億円調達

Qapitaの共同創業者たち。左からヴァムゼー・モハン氏、ラヴィ・ラヴラパルティ氏、ラクシュマン・グプタ氏(画像クレジット:Qapita)

シンガポールのフィンテックQapitaはスタートアップに、資本政策表やESOP(Employee Stock Ownership Plan、従業員による株式所有計画)を管理するソフトウェアを提供している。同社はこのほどプレシリーズAで500万ドル(約5億4000万円)を調達した。ラウンドをリードしたのはMassMutual Venturesで、Endiya PartnersとAvaana Capitalの創業者Anjali Bansal(アンジャリ・バンサル)氏やUdaanの共同創業者Sujeet Kumar(スチット・クマール)氏などのエンジェル投資家が参加した。

2020年9月にQapitaのシードラウンドをリードしたVulcan CapitalとEast Ventures、およびKoh Boon Hwee(コー・ブーン・フィー)氏、Atin Kukreja(アティン・ククレジャ)氏、Alto Partners、Mission Holdings、Northstar Group Partners、K3 Venturesなど、多くのエンジェル投資家たちも、この投資に復帰した。East Venturesの共同創業者でマネージングパートナーのWillson Cuaca(ウィルソン・クアカ)氏が、Qapitaの取締役会に加わる。

関連記事:スタートアップは鍵となる従業員に何%の株を渡せばいいのか

Qapitaは現在、インドネシアとシンガポールとインドのクライアントにサービスし、スタートアップに注力している。同社のソフトウェアで非公開企業は、キャップテーブル(資本政策表)をデジタル化して管理し、デューディリジェンスを行い、株を従業員に発行する。Qapitaは2019年にRavi Ravulaparthi(ラヴィ・ラヴラパルティ)氏とLakshman Gupta(ラクシュマン・グプタ)氏とVamsee Mohan(ヴァムゼー・モハン)氏が創業し、今では30名のチームに成長している。

同社の目標は、スタートアップによる株の発行をもっと容易にすることによって、インドと東南アジアのスタートアップのエコシステムにより大きな流動性と再投資を生み出すことだ。Qapitaは現在100あまりの企業にサービスを提供しており、新たな資金は機能をもっと増やすことと、法務、会計経理、秘書業務などのサービスプロバイダーたちとパートナーすることに投じられる。

プレス向けの声明でMassMutual VenturesのマネージングディレクターのAnvesh Ramineni(アンヴェシュ・ラミネニ)氏は次のように述べている。「今私たちがグローバルに目撃しているのは、上場市場と非上場市場との合体というトレンドだ。Qapitaは彼らのソリューションによって、当地域でそれを可能にしている。そのために同社は、キャップテーブルの作成やステークホルダーの管理、株式のデジタル化とその発行、そして流動性のソリューションといった一連のサービスを提供している。同社のチームは、経験と地域市場の理解とプロダクトの専門性という三点において、彼らのビジョンを提供するに十分な正しい組み合わせを有していると信じている」。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Qapitaシンガポール資金調達

原文へ

(文:Catherine Shu、翻訳:Hiroshi Iwatani)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。