消費者向けのVR(仮想現実)の出足は遅いが、特定の場所で体験するアトラクションであれば、業界にとって持続可能なものになると考える人も多い。コンシューマーが映画に行くのと同じ感覚で、より高品質の体験を提供するということだ。
本日(現地時間9/26)、VRスタートアップDreamscape Immersiveは、世界最大の映画チェーンAMCが率いるシリーズBで2000万ドルを調達したと発表した。Dreamscapeはすでにワーナー・ブラザーズ、21世紀フォックス、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー、 IMAX Corporation、そしてスティーブン・スピルバーグなどの支援を受けている。
資金調達に加えて、Dreamscapeは、同社の全身モーションキャプチャVRの技術を取り入れる大きな契約をAMCと締結した。最大6人のユーザーが同時にソーシャル体験を共有できるこの技術は、アメリカとイギリスの映画館や独自の施設に導入する。今後18カ月間に、最大6つの拠点で公開する予定だ。
これらはユーザーが自宅で再現できないようなテクノロジーを利用した独自の体験になるため、注目に値する。また、AMCはDreamscape Immersiveがコンテンツを作り始めるため、コンテンツのためのファンドに1000万ドルを出資する契約も結んでいる。
映画館業界は今のところ、誰かのためになろうとしているわけではない。彼らにとって位置ベースVRは、映画館に客足を戻し、単に自宅にあるより大きな画面でコンテンツを視聴する以上の体験を提供する機会となる。興行成績の規模は拡大していると言えど、オンデマンドの映画レンタルやストリーミングサービスの利便性を選択する人が増えた結果、映画館へ足を運ぶアメリカ人はますます少なくなっている。
現在の映画館には存在しない物流面での課題が明らかにあるが、位置ベースVRは大きな価値を提供できる可能性があり、すでにいくつかのスタートアップは大型の案件を決めている。先月ディズニーは、The Voidと呼ばれる企業のVR体験を2つのディズニーテーマパークリゾートに導入すると発表した。