スマホで運転挙動を評価する自動車保険「Root Insurance」が390億円調達

米国オハイオ州拠点のRoot Insuranceは、スマートフォンを利用して個々のドライバーの運転挙動を評価する自動車保険のスタートアップだ。このほどシリーズEラウンドで3.5億ドル(約390億円)を調達し、評価額は36.5億ドルだったことを発表した。

今回の調達金額は、先月Axiosが匿名筋の情報として報じていた。今回の正式発表でDST GlobalとCoatue Managementがラウンドをリードしたことがわかった。既存投資家のDrive Capital、Redpoint Ventures、Ribbit Capital、Scale Venture Partners、およびTiger Global Managementのほか、新たな投資家も複数加わった。

Root Insuranceは2015年に設立され、これまでに計5.23億ドルを調達し、それ以外に1億ドルをデットファイナンス(負債)により調達している。今回の資金は同社が運営している米国29州の規模拡大および新規市場の開拓に用いられる。新たな製品ラインの開発も計画していると同社は説明している。

昨年同社は、2019年中に全米50州とワシントンDCをカバーする計画だと言っていた。

「Rootは米国の損害保険で最大の市場である自動車保険を変革し、テクノロジーとデータを活用して消費者に低料金と透明性と公平性をもたらそうとしている」と出資者のDST GlobalのマネージングパートナーであるTom Stafford(トム・スタンフォード)氏が声明で語った。

Rootはドライバーに直接自動車保険を提供する。個々のドライバーの行動やその他の要素を取り入れて保険料を決定するのが特徴で差別化要因になっている。

ドライバーはRootのモバイルアプリをダウンロードし、通常2~3週間テストドライブを行う。運転挙動の良いドライバーには優遇料金が提示され、保険の乗り換えができる。保険の申込みや約款の閲覧はアプリを通じて行う。

Rootは、この方法によって優良ドライバーは従来の保険会社と比べて50%以上節約できると言っている。同社はAIアルゴリズムを利用してリスクを見積もり、場合によってはディスカウントを提供する。たとえば、高度な運転支援システムを備えた車は安全性を改善すると考えられるためさらに追加の割引を受けられる可能性がある。

同社のビジネスモデルは顧客を引きつけているようだ。Rootは2019年の前半6カ月に1.87億ドルの保険を契約し、2018年の同じ時期より824%伸ばした。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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