スマホ搭載可、犬の鼻レベルの新「ニオイセンサー」事業化へアロマビットが子会社設立

ニオイを可視化するセンサーを開発し、関連サービスを提供するアロマビットは7月23日、スマホ搭載も可能な超小型で、犬の鼻と同レベルのニオイ解像度を実現できる、新センサーの開発事業化を目的とした子会社設立を発表した。

アロマビットは2014年12月の創業以来、水晶振動子をセンサー素子として利用し、小型のニオイイメージングセンサーを開発・実用化してきた。ソニーCVCからの資金調達を報じた記事でも紹介したが、センサー素子の上にニオイ分子を吸着する膜が設置され、ニオイ分子が膜の表面に付いたり離れたりするときの質量の変化を素子の共振周波数で読み取る、というのが大まかなセンサーの仕組みだ。

同社では2018年12月に、センサーを搭載したデスクトップ型のニオイ測定装置「Aroma Coder – 35Q」を製品化。35種のセンサー出力データを一度で1つのパターンとして取得でき、合計で約5京通り(5×10の16乗)以上の「ニオイ可視化パターン」出力を可能にしている。

ただ、水晶振動子型センサー素子の素子サイズは5mm×20mm。従来製品より小さいとは言え、例えばスマートフォンなど、より小型で低コストが求められる機器への搭載は難しかった。

そこでアロマビットでは、豊橋技術科学大学の澤田和明教授らが開発した超高感度シリコンCMOS型イオンイメージングセンサーのセンサー基盤技術に、同社開発のニオイ受容体膜を応用。素子サイズでは1mm角とより小型でニオイ解像度の高い、低コストなシリコンCMOS型次世代ニオイセンサーの開発に成功していた。

新たに設立された子会社アロマビットシリコンセンサテクノロジーでは、この新たなニオイセンサーの開発事業化を進めていく。感度が高い従来の水晶振動子型と並行して、高解像度・超小型のシリコンCMOS型センサーにより、スマホやIoT機器にも搭載可能なニオイセンサーの実用化を目指す。

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TechCrunch Japan

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