どの証券会社でも、株式を注文するためには、ユーザーは指定の証券口座に入金する必要がある。けれど、そのためだけにATMや銀行に行って、預金口座から証券口座に送金する時間を取れない人も多いだろう。また、証券口座に送金しても、着金が反映されるまでには時間がかかる。金曜日の夜に送金して、週明けまで着金が反映されないのでは、株を買いたいと思った時に購入することは難しくなる。
証券取引アプリのOne Tap BUYはこの送金作業を簡略化するため、みずほ銀行が提供する「アドバンストデビット」機能と連携し、新しく「銀行においたまま買付」サービスを提供することを本日発表した。その名が示す通り、銀行口座から証券口座に資金を移さずとも、株の買い付けができるサービスだ。
みずほ銀行の預金口座を持つOne tap BUYのユーザーは、スマホから「銀行においたまま買付」への申し込み手続きを行うことができる。手続き完了後、One Tap BUYで株式を購入する時に「入金連携」でみずほ銀行の口座を指定すると、One Tap BUYのシステムが預金残高を確認し、買付金額以上の金額が入っていれば、買付を行う仕組みだ。
「One Tap BUYは、日本で株式投資を身近にしたいという思いで創業しました」とOne Tap BUYの取締役マーケティング部長三好美佐子氏は説明する。それを実現するため、創業時はまず株式の注文の部分を簡単にするサービス開発に注力してきたと話す。昨年開催されたTechCrunch Japan 2015では、スタートアップバトルに出場し、銘柄と金額を指定して3タップだけで株式取引ができるシンプルなアプリUIを披露した。今年の6月に正式ローンチしたOne Tap BUYのアプリは、6万6300以上のダウンロードを達成している。
ただ、ユーザーの中には口座開設はするものの、入金に至らない人もいたと三好氏は話す。そういったユーザーにヒアリングを行い、入金のハードルを下げる施策を検討した結果、今回の「銀行においたまま買付」の開発につながったそうだ。「銀行においたまま買付」を利用するには、1回の取引につき108円を課金する予定だが、2017年3月末までは無料で提供する予定だ。