MITが素材の弾性をカスタマイズできる3Dプリント技術を開発、人などにぶつかってもソフトに弾むドローンなどが可能だ

落下ではなく突然の停止は、人間にも、ロボットの繊細な電子部品にも、同様のネガティブな影響を及ぼす。MITのComputer Science and Artificial Intelligence Lab(CSAIL)が取り組んでいる新しい研究プロジェクトは、突然の物理的ショックが人間やロボットに与える損傷効果を軽減する。

その研究チームが考案した新しいテクニックでは、ソフトな素材で作るパーツをユーザーがプログラムできる。プラスチックでもゴムでも、望み通りの硬度と弾性を持たせることができ、最終製品のニーズに応じた反発性や弾性、そしてエネルギーの伝導性を実現できる。

それは一種の3Dプリントの技術で、ユーザーはプリント物のサイズと形状だけでなく、衝撃吸収力を指定できる。従来の方法では、大量生産される既成の衝撃吸収素材で射出成形などをするほかなく、衝撃吸収力は素材の仕様で決まってしまう。

Credit: Jason Dorfman, MIT CSAIL

画像提供: Jason Dorfman, MIT CSAIL

MITのチームが見つけたのは、3Dプリントならさまざまな機械的物理的特性を持った素材を使用でき、基材のレベルで衝撃吸収属性を必要に応じて変えられることだ。吸収属性はパーツの目的によって変えられ、敏感で繊細な装置を保護するだけでなく、ロボットの動きをより細かく微妙にコントロールできるようになる。たとえば上図の立方体状のロボットは、これまでよりも精密な着地パターンで弾ませることができ、脚のあるロボットでもその歩み(脚の上げ下げ)をより正確にコントロールでき、先端の着地点をより正しく決められるようになる。

ユースケースはこれだけではない。チームの研究者たちは、配達用ドローンにもこの技術を応用でき、周りのものと接したときにも、お互いを傷つけずに跳ね返るようになる、と考えている。また人間用のランニングシューズやヘルメットに応用すれば、快適であると同時に優れた衝撃吸収力を持つ製品ができるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))