IoT市場がやや停滞気味に感じている人もいるのではなかろうか。トースターやロボット掃除機をスマートフォンからコントロールできるのは確かに面白いとは思った。ただ必要性という面から考えると、どうも「いらないもの」であるようにも感じられるのだ。ただしIoTに将来がないという意味ではない。省エネに寄与するIoTにはまだまだ大きな可能性があるはずだと思う。
今回紹介するRachioは、可能な限り無駄を省いて芝生に水やりを行うスプリンクラーだ。実はこのたびリリースされたのは第二世代のものとなる。クラウド情報を利用するデバイスとの連動性能を高め、天気などの情報に正しく対処して無駄を省く仕組みが実装されている。
市販価格は249ドルで、RachioのウェブサイトおよびAmazon、Home Depotなどから購入することができる。また最近の先端IoTデバイスらしく、Appleのオンラインストアでも販売されるようになるとのことだ。
Rachioによると、旧モデルにおいても散水を行う水道代を半分ほどに削減できたとのこと。節約につながったのはもちろんのこと、水利用の面で「サステナビリティー」を実現したプロダクトとなった。
その第一世代機のメリットに加え、第二世代のRachioでは他の家庭用スマートデバイスとの連携性を高めている。すなわちNest、Xfinity、Alarm.com、Control4、IFTTT、Nexia、Wink、そしてAmazon Echoなどと連携できるようになっているのだ。連携の幅を広げることで、たとえば雨が降っているのに芝生に水を撒くようなことはしないですむようになる。また散水のエリアを16のゾーンにわけて識別できるようになっており、またセンサーの種類も増えている。さらにくわえてセットアップもこれまでよりも簡単になっているのも魅力のひとつに挙げて良いだろう。
いろいろと性能の向上がある中で、値段が下がっているのもうれしいところだ。第一世代のプロダクトは299ドルだったが、新しい第二世代版は249ドルとなっている。より多くの利用者を獲得したいという狙いもあっての価格設定なのだろう。
Rachioは昨年11月に資本を増やしている。すなわちArborview Capitalが主導するシリーズAにて710万ドルを調達している。新たに得た資金は利用者の要求に沿うかたちでの成長戦略を実現するために利用する予定であるとのこと。
Rachioがもたらしてくれる利益のひとつとしては、水道代の低減という形でみえてくるものだろう。ただしこれは「節約」という効果だけでなく、資源の有効活用という面からしても人類にメリットをもたらしてくれるものだと言えるように思うのだ。
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(翻訳:Maeda, H)