ダンスフロアで彼女を見失った。普通なら何の問題もないが、彼女はスマートフォンが大きすぎたのでクロークに預けていた。大きく美しい画面を追求するあまり、彼女はそもそもなぜ人は電話を携帯するのかという基本的理由を犠牲にしていた。広大なナイトクラブで彼女を見つける方法はなく、2度と会うことはなかった。
これは今週シンガポールで起きた私の驚くべき体験だ。スマートフォン革命は、効率よりパワーと派手さに集中してきたが、そこには問題がある。
今日のテクノロジーによって、私たちは小型軽量でバッテリー寿命の長い事実上破壊不能な電話機を持ち、通話やSMS、さらにはAndroidを走らせてメッセージングアプリを使うことまでできるようになった。何よりも、携帯に便利で信頼性が高い。
私たちが失ったすてきな友達も、そんなデバイスの恩恵を受けていたに違いない。彼女はその夜のクラブを一人で過ごすことになり、私たちは気もそぞろに彼女を探し、不満を募らせながら過ごした。スカートのベルトかブラに挟める小さな電話機があれば、私たちは再会してディスコライトの下で楽しい夜を過ごすことができただろう。
Mophie Juicepackの売れ具合や、よく聞く「電池が切れた!」の叫びは、われわれのバッテリー難に何らかの解が必要であることを示している。あの最後の20%の命を夜のために残さなくてよいと知っていれば、あそこまで電子の割り当てに熱心になる必要もないのに。
最近のトレンドである男性のタイト目のジーンズにとっても、小さい電話機の利用価値はある。非常用デバイスとしても有効だ。値段も安いので車のグローブボックスや地震の持ち出しキットに、ソーラーまたは手回し発電機と一緒に放り込んでおくのもいい。データ利用料で稼ぎたいキャリアーには不評かもしれないが、独立系メーカーが隙間を埋めてくれるだろう。
誰もがPathのファウンダー、Dave MorinのiPhoneを2台持つというアイデアを笑った。1台は昼用、1台は夜用で、彼があまりに早くバッテリーを消費するからだ。しかし、たぶん一部の人々にとって本当に必要なのは、大きなフル機能のメディア消費用モバイルコンピューターを1台と、ごく小さな基本的コミュニケーション用ツールが1台だろう。
旧型携帯電話はたくさんあるが、価格のせいか機能が絞られすぎている。意図的に機能を限定し、かつハイテクを駆使した端末に市場はあるかもしれない。スマートでもダムでもない、シンプル・フォンを世界は待っている。
[画像提供:Anniken Hannevik / Trigger Happy TV]
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(翻訳:Nob Takahashi)